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[ 城山三郎 ]

         


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   城山三郎 の売れ筋最新ランキング   [2009年01月08日]
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¥ 1,260(税込)
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カスタマーレビュー数:24

くちコミ情報
ある夫婦の愛のカタチ
経済小説の泰斗であり論客でもあった城山三郎氏の遺稿が、癌で先立った妻の容子さんを回想したエッセイであったことがまず意外なのですが、売れているとのことで手にとりました。 もっとウェットなもの(例えば闘病記的なもの)を想像していたのですが、城山氏が奥さんとの出会いから別れまでの思い出を語る文章は、容子さんへの愛にあふれていて、逆にほのぼのとした読後感になりました。おそらく、容子さんの明るくて天真爛漫な性格がそう感じさせるのかもしれません。 昨年、城山氏も亡くなった訳ですが、巻末に掲載されている城山氏の次女の紀子さんの文章を読んで、私も死んだ後に子供からいい夫婦であったと思われるような夫婦でありたい、と思いました。 どちらかというと堅物のイメージが強い城山氏がこのようなノロケ的な文章を残していることが、この夫婦の愛情というものを十分に証明しているように思います。
ご冥福を、ただただ、お祈りいたします
「あっという間の別れ」 と、述壊しているように、城山氏は、ご令室との死別を、認められず、引きこもって、職業人としての再生を果たす事が出来なかったように思える。 したがって、本書では、死別の喪失感が、色濃く滲み出ており、心身ともに疲弊し、自己の死でもって答えたという著者の生き様が感動を呼ぶのかも知れない。  配偶者の死は、自分の半分が死んでしまったゆえに、当人の人間としての再生、新たな生まれ変わりが達成される機会でもある。その機会を達成できなかった著者に深い哀悼の念を禁じえない。この☆一つは、城山氏を当然に援助すべき人々が、果たすべき仕事を果たさなかった故の著書であるからである。  まず、ご令室の病状について、本人はもとより城山氏にすら、正確な告知を怠った医者には、理解に苦しむ。ご子息らに告知して、当人らに告知しなかったという事は、インフォームド・コンセントの時代に、医師の職業的怠慢では無いだろうか? 城山氏に告知がなされていれば、「あっという間の別れ」 ではなく、相応の準備が出来ていたのではないか。また、しかるべき治療を選択されていたのではないだろうか。  つぎに、理解に苦しむのは、新潮社の編集者の振る舞いである。 城山氏が、心身ともに疲弊して、まともな状態ではないと解っていた筈である。そうした状態にもかかわらず、療養を勧めずに、ご令室のことを書くように勧めるのは、一種の殺人行為ではないでしょうか。困窮しているものに、鞭打つ振る舞いである。この本の出版で、利益を求めていたとすれば、出版社とその編集者は、人の命よりも、利潤を選んだのだろう。  著者が、ご令室と死別しての悲嘆の7年間に、専門的なグリーフケアを、受ける機会が無かった事が、悔やまれます。  今は、彼岸にあって、お二人で過ごされていることが救いです。お二人のご冥福を、ただただ、お祈りいたします。 合掌
こんな夫婦でありたい
夫婦愛に感動致しました。偶然のいたずらのような出会いから、奥様が亡くなられるまで、城山三郎さんにとって奥様がいかに大切な存在であったのかが伝わってきました。しかしながらこの本で最も素晴らしかったのは娘さんが書かれた最終章です。奥様への想いを抑え気味にするようすすめたのはこの娘さんであったことや、奥様との最期の別れの様子、城山三郎さんの晩年についてなど、ご自身では書けなかったエピソードを娘さんの視点から補完されたことで、ご夫婦の愛の軌跡が立体的に描きあげられ、思わず涙してしまいました。私にも結婚して十数年になる妻がおりますが、城山三郎さんご夫婦のように添い遂げられる夫婦でありたい、と改めて思いました。
夫婦とは、この世で一番尊い存在かもしれない、と思いました。
妻を失う、ということの辛さ、と語るには余りにも大きな喪失感を城山三郎さんの文面から間接的に体験させていただくことが出来ました。きっと自分もそうなるに違いないだろうと思いました。男にとって、それほどまでに妻の存在は大きい。妻は一歩下がって夫を立てているようにみえるも、夫ほど妻に何もかも頼りきっている存在はちょっと他に探せないように思う。「そうか、君はもういないのか」取り残された夫は誰もがそうつぶやいて虚空を眺めることでしょう。城山さんの、率直な語り口が、妻と生きる人生の醍醐味を描いてらっしゃるように受け止められました。いつかやってくる日なのですね。その時、悔いの残るようなことだけはしておきたくない、と考えました。城山さんご夫婦が如何に愛情を持ってお互いが接していたかが良く伝わってまいります。せめて、夫婦でいられる間は、いつも愛を持って暮らしてゆこうと思いました。
溢れるばかりの愛・・・
久しぶりに胸が熱くなった。 亡き妻との出会いから別れまでが、淡々と深い愛情で綴られる。 瞬く間にその優しさ・愛情に引き込まれ読みふけっていた。 巻末にある、次女が記した「父が遺してくれたもの」で、涙が溢れ出た。 著者の想いと、次女の想いが、見事にシンクロしたからだ。 読書後、個人的に、良い意味で妻・家族に優しくなっているように感じる。


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カスタマーレビュー数:41

くちコミ情報
人生のお手本ともしたいような人物像
戦時下に要職についていたという事実をもって、その生き方全てを礼賛することはできません。 しかし実直で謙虚な生き方には脱帽せざるをえませんでした。 広田氏だけでなく、彼に最も近い位置にいた二人の女性、母と妻、の去り方にも鮮烈な印象を受けました。 昔の日本人てすごい! こうした方々の営みの上に現在の平和と繁栄があることを改めて感じました。 城山氏の少し抑え目の描写が広田氏の飾らない人物像を引き立てていたと思います。 名作でした。
広田弘毅の生涯を鮮やかに描く
本書は、文官としてただ一人、東京裁判で戦争責任を問われ、処刑された広田弘毅の生涯を鮮やかに描く一冊である。 明治11年、福岡市の貧しい石屋の息子として生まれながら、一高、東大、外務省を経て、32代首相まで勤めた広田。しかし、近代日本が転落し、戦争に突入していく歴史の流れにおいて、その防波堤になることはできず、ただ一人の文官として、戦争責任を一身に負いその生涯を終える。 東京裁判に臨んで、一切自己弁護を行わない、広田のその潔い姿は、読むものに深い感銘を与える、城山文学の最高傑作のひとつである。
広田のキャラがしっくりくる人向き
広田弘毅が、どうやって総理大臣にのぼりつめたかを書いた本。 彼は、上から言われたことを、真面目に淡々とこなす優等生である。彼は真面目と誠実さを上司に買われて、総理大臣にまでのぼりつめた。 しかし、出世欲がなく、政治の流れや成り行きに身を委ねるので、筆者は広田中心の話を書きにくかったのか、吉田のやんちゃぶりにも焦点が当てられている。 また、 これから官僚を目指す人や、官僚向きの性格の人にはこの本はしっくりくるかもしれない。しかし、そうでない人には、広田に感情移入するのは難しいので、手にとるのをあまりお勧めしない。
最後の武士
広田弘毅が東京裁判においてA級戦犯として絞首刑を受けたことに対する疑問は現在でも大きく、裁判の公平性を考える上で、将来的にもこの東京裁判の間違いは歴史上の汚点として残っていくことと思います。しかし、当事者であった広田の気持ちは我々の考え方とは全く違ったものだったと思います。広田を一言で表すなら「武士」でしょう。「武士道とは死ぬこととみつけたり」と葉隠れに記載されているように、死ぬことを常に考えながら最後まで日本を戦争させないように尽力した。しかし日本は最悪の形で戦争をしてしまった。その時点で広田には「死」しかなかったのではないでしょうか?それも自害ではなく戦勝国の裁判に裁かれる「死」であることが広田の最後の抵抗だったのかもしれません。 広田の生き方は武士道につながっているのだと強く感じました。
現代に求められる大人の生き方
 日中戦争及び太平洋戦争は、私から日本の歴史、文化を断絶しています。それは あまりにも痛ましい記憶だからなのでしょうか。この出来事に関わった人たちが まだ存命しており、利害が衝突して歴史として客観的な評価ができないことから 公的な教育から封印されていることが大きいのではないでしょうか。 平成から最も近い昭和史を学ぶ事は、教育されることに解放された大人だけに 許された特権になっているように思います。その意味で本作は良質な教科書の 役割を担ってくれる数少ない良書です。  解説を読むと筆者は本書を『小説』と位置付けていますが、私は戦中を生きた 広田弘毅の生き様を辿りながら、どういった経緯で日本が悲惨な戦争に突き進んで いったかを政府内部から語るノンフィクションとして読みました。広田の「自ら計 らわぬ」生き方は、一見消極的な印象を受けます。しかし彼は、目の前の課題に対 して自分の価値観に従い、全力で取り組む姿は実に主体的に感じました。この誠実 さは現代のローモデルとなり得るのではないでしょうか。彼に比べると外務省同期 で戦後初の首相になった吉田茂が小さく見えます。また彼は自分の家族との時間を 大切にする良き家庭人であったことも団塊世代には非常に少ない、これからの大人 の生き方を示しているように思います。 彼は戦前戦中に外相、総理大臣を歴任し東京裁判で唯一文官として極刑を受けます。 戦争を止められなかった自分の責任を受け入れ、一切の弁解をしない頑固さは大人 のダンディズムを感じます。その意味でも大人の良書足るのではないでしょうか。


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くちコミ情報
ガッツ石松さんの座右の銘
「粗にして野だが卑ではない」−−ガッツ石松さんが色紙に書いていた有名なコトバ。石田さんのような怖い人が、いまの日本には必要です。
卑(mean)でない生涯の実録
 昨年(2007年)城山三郎氏が世を去られ、取り上げられることが多くなった。  以前学生時代、作者の本は数冊読んだが、本書は題名に惹かれ読んでみた。高齢になってから国鉄総裁を引き受け、自らを『ヤングソルジャー』と称した石田禮助。その人となりが、想像を喚起させてくれるエピソード、読みやすい文体で綴られている。 『粗にして野だが、卑ではない』  現在の日本の指導者で、「卑ではない」と己を言い切れる人がいるだろうか。否、日本国民に「卑でない」生き方をしている人がいるだろうか。藤原正彦の「国家の品格」や坂東眞理子の「女性の品格」が売れたということは、昨今は「粗にして野、しかも卑である」生き方がまかり通っている証であろう。強ければ「卑ではなく」いられようが、人間は弱いときに卑怯・狡猾になるものである。そして、いつも強くいられないのが人間なのであり、だから城山三郎は「卑ではない」生き方、気骨のあるいき方を通した石田禮助に惹かれ、その生涯を書きたかったのではないだろうか。 明治の人の気骨のある生き方を読み取れる良書。
粗にして野だが卑ではない
この言葉が最近頭からは離れません。 時代を超えて若い自分にまで鮮烈に響いた言葉である。 今の時代が本当に必要としている偉人なのかもしれない。 当時の石田礼助のやり取りを想い描くと時折クスッと笑いがこみ上げる まっすぐで裏表が無く意思のある姿勢に惹かれました。 是非一読をお勧めします。
自分らしく生きるということ
石田 礼助さんの一本筋の通った生き方。今の時代にこのような生き方が出来る人はなかなかいないと思う。『祖にして野だが卑ではない』という意味をこの本より痛感することが出来た。とっても素晴らしい生き方であると思った。この世の中・・・何が大切かを考えさせられる一冊です。
心を鉄筋にすること
 出張の機内で読み始めた。大変読みやすい本で あっという間に読み終えた。  読んでいて 最近人気の白川次郎を思い出した。白川ほどのエリート生まれではない分 石田の方が泥臭い。但し その泥くささは 実は「泥をかぶってきた」という面が見えて大変面白かった。白川の方が やはりお坊ちゃんであったのだと思う。  本当の石田が かように格好良い人であったかどうかは 僕にして知りようが無い。但し 読んでいて 石田が 本書に書かれていた通りの人であることを強く祈ったものである。それほど 明治生まれの気骨を強く感じた次第だ。  最近 「骨太」「鉄骨」等 骨という感じを使うものが増えた。それだけ僕らに骨がなくなってきたのだと思う。体の骨は時として脆くなるが 心の「骨」は 骨粗症になるべきではない。そんな城山のメッセージを強く感じた。



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カスタマーレビュー数:15

くちコミ情報
対照的な二人の物語
 これは、昭和2年4月に組閣された濱口内閣の首相・濱口雄幸と蔵相・井上準之助の物語である。久々に城山翁の本が読みたくなったので買って読んだ。  本の構成としては、冒頭に組閣のシーンが描かれ、それからしばらくの間は二人の生い立ちが交互に記される。しばらくして組閣の場面に戻り、山積する政治課題、とりわけ金解禁の問題にどう対処していくかが描かれる。  上司との対立による左遷、長年の外局勤めなど、およそ出世街道を進んだとはいえない濱口に対し、井上は出世街道まっしぐらの人生であった。ところが、日銀・松尾総裁にうとまれてアメリカに飛ばされてしまう。まったく対照的な人生を送ってきた二人は、精神的な困難に直面したときの心構えも相当に異なる。濱口は黙して語らず、己の身上を度外視して仕事に取り組む腹の太さがあった。一方、スタイリストの井上は外向きには泰然としているが、内心は大いに悲歌慷慨し、妻への手紙に泣きごとのようなことを書き連ねていた。  濱口には運命への達観があったとおもう。それは、諦観のような枯れた考え方ではなく、この場面で誰もやりたがらない仕事をやって踏ん張るのが自分の運命だ、というような自分を度外視した考え方である。一方で、井上には運命の予感を持っていたのだろう。自分は必ず大業を果たす、こんなところで無駄な時間を過ごしているヒマはない、といったような。  そういう二人が、昭和初期の混乱期に同じ内閣に属して金解禁という難事業に取り組んだのは単なる偶然ではなかったのかもしれない。非常に面白い本だった。
金解禁に挑む浜口と井上の生涯を描く
1929年、田中義一内閣の後を受け、成立した浜口雄幸内閣(立憲民政党)。本書は、浜口首相が井上準之助を蔵相として、1917年以降禁止していた金輸出禁止の解禁に二人三脚で挑む男子達の生涯を描いた一冊である。 浜口政権(1929〜1931年)は、産業合理化・緊縮財政をはかった上で金輸出解禁。加え、軍部と対立しながら軍縮政策に努めたことが有名であるが、本書では教科書等では味わうことの出来ない緊迫した昭和初期の雰囲気が、政治信条を貫いた二人の熱い友情と共に描かれている。
命を賭した政治家の姿。
 昭和初期、不景気に喘ぐ日本を変えようとした「ライオン宰相」浜口雄幸と、その盟友井上準之助を描いた作品です。  質実剛健、余計なことは口に出さず厳格な印象を与える浜口と、華やかな言動ゆえに敵を作ることも多い井上。生き方も、性格も対照的な二人が、一つの信念のために共に戦っていく姿が、当時の時勢、評論、新聞記事等を織り交ぜながら描かれており、実際に昭和初期の情勢に立ち会っているような感覚を覚えます。城山三郎氏の最高傑作と謳われることも多いこの作品ですが、なるほどと思わされるものがあります。  日本に、こういう人達がいたのだということを、強烈に感じさせてくれる作品だと思います。
本懐かもしれんが
肝心の金解禁と軍縮の話が なかなか出てこないで 首相と蔵相の覚悟ばかり 聞かされる印象は 否めない。
城山三郎の最高作品。
城山三郎作品の最高作品。 司馬遼太郎作品と同じく、史実の合間にフィクションのニュアンスを詰め込み、見事に読ませる作品に仕上げてある。 当時を振り返った大蔵省及び日銀の資料を読むと、この物語のフィクション性が湧き上がってくるのとだが、これを完全な史実と混同しかねないほどの構成力には恐れ入る。 浜口と井上のキャラクターも見事な好対照で、小説として見事としか言いようがない。 憲政政治期の金解禁論議の空気を感じさせてくれる一冊であり、戦前のデモクラシーという理念に基づいた時代における日本男子の生き方のモデルをとても魅力的に描き出した一冊だ。 秋の読書に、是非。


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みんなほんとは打たれ弱い
ストレスが心身の健康を蝕む。そのストレスの一番は人間関係。自分が打たれ弱いから強く見える人や識者たちはどうやって乗り切っているか知りたくて読みました。そしたら城山さん自身「弱い」といっていました。嬉しくなりました。城山さんは文の中には書いてありませんが彼の知己である名だたる経済人たちや歴史上の人物の生き様を多く知ることで彼らから沢山の胆力・知力・行動力などを学び、自分の血肉としていくことで少しずつ打たれ強くなるんだと一読者として理解しました。実際の場面での城山さんは毅然として揺るがない、まさに打たれ強いイメージですが、それも長年の経験と弛まぬ努力、学び力、真摯な生き方、そして発想の転換と行動力なんですね。
この世界は不平等
打たれ強い、ということはストレスが溢れるいつの世も求められる資質なのかもしれません。エッセーの中の一部にこのテーマについて語られている部分がありますが、それ以外は左遷や歴史、城山三郎氏の各分野の知人・友人の話などで多様な内容の構成になっています。 面白かったのは、演劇浅利慶太氏の「この世界は不平等と思え」「自分の時計を持て」。そもそもこの世は不平等なのだから、自分のペースで歩いていけば良い。また、城山氏自身は「肉親を愛し、よき友人を持ち、よき趣味をもち文学や芸術を通して自分だけの世界をも豊かにしておくことである。このことが打たれ強さにつながる。」と言い、仕事だけの世界に埋没してしまうことのアンバランスを諌めています。 軽妙な中にも含蓄ある言葉多いエッセー集だと思います。
城山さんの考え方がよくわかる
多くの経済小説を書いている城山さんの考え方のベースが良く分かる本です。多くの経済人を取材したり観察した結果を小説化するのでしょうが、城山さんが小説化する人物のどのような発言や言動に重きを置いているのかが分かります。短編のエッセイ集の感覚で読めますし、なるほどと思わせる章も多いので、出張などでの新幹線の中で読むのには適しているかもしれませんね。
さわやかで含蓄の深いエッセイ集
本書は、日経流通新聞に連載されたエッセイがもとになっている。エッセイの数は71あり、全体のトーンは表題よりむしろ著者の引用しているワルラスの「静かに行くものは健やかに行く。健やかに行くものは遠くまで行く」という感がした。山種証券の創設者山崎種二氏の「大きな耳」からはじまり、福田総理の電話の話もあれば、レオナルド熊の話もある。毛利元就を引き合いに「大望があれば、勢いにのって破竹の進撃と行きたいところだが、それよりも、目前のひとつひとつの戦いをていねいに戦い終える」ことを説く。そうかと思うとスーパーの駐車場に傍若無人に車を止めた店員を引き合いにマニュアル教育の欠陥を批判している。著者の人生の知恵が詰まっており、時々読み返したいと思った。


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渋沢栄一の半生を描く名作
「日本資本主義の父」といわれる渋沢栄一(1840〜1931)。合本組織(現在の株式会社)の理念を日本に普及させ、自ら、第一国立銀行、王子製紙、日本郵船といった、生涯500以上もの企業の設立に尽力した日本を代表する経済人である。 本書は、血洗島(現在の埼玉県)の一農夫から身を起こし、一橋家幕臣、新政府役人、民間経済人と、その立場を時代と共に変化させながら、やがては明治の元勲達と肩を並べるまでになった栄一の半生を鮮やかに描きだす。 渋沢栄一という一人の人物を通じて、幕末〜明治という近代国家成立の過程も伺い知ることができ、単なる伝記に留まらないところが、特に魅力的である。
渋沢栄一伝
日本のためにやらねばならぬ。その一念で片田舎から飛び出した渋沢栄一は徳川慶喜に仕えフランス留学、そして政府高官、銀行頭取へと立場を変えつつ日本のために懸命に働く。 何の資本も持たず、藩の援護もなく、その志だけをもって生きた渋沢栄一。一人の人間の意志の力とはかくも偉大なものかと驚嘆する。
圧巻でした!
とても面白く読ませていただきました。作者は異なりますが、「竜馬が行く」や「坂の上の雲」よりもよかったのではないでしょうか。その理由はテンポのよさかもしれません。 渋沢栄一がどのようにして日本の資本主義を成り立たせていったのか、またその成功の秘訣は何なのか、ビジネスにも役に立つ内容盛りだくさんです。
志を遂げること
渋沢栄一の伝記です。  幕末の志士が志を立て、散っていった中  その志を遂げていった人物として尊敬しています。  ただ、真っ直ぐに死に急ぐ「志士」への憧れから、  この人のように、  その時々によって「変節」しているかのように見えても、  志を遂げていくことが大事かな?  と最近では考えるようになって来ました。  精神だけではダメで、実が伴わなければうそだと考えていた  渋沢栄一の  この効果の吟味を忘れぬ態度こそが、「老練」である。  「大いに老練用ゆるところこれある人物」  いつも、方法を、効果を問題にして生きていくことが  老練であり、  志を遂げるために必要なことなのでしょうね。
渋沢入門書
前半は志士としての渋沢栄一を、後半は実業家としての彼を紹介しています。おもしろいのは主に前半で、一個の維新小説として成り立っていますが、後半はテンポが落ち、彼のエピソードを時代順に羅列している印象です。 p 渋沢栄一の功績は大きくすべてを記すことは難しいですが、出発点としては、最適の書であり、大変おもしろい小説です。


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官僚機構のみならず
既に書評百出しているので多言を要しないが、社会に対して組み合っていく上で必要な心意気について感じ入ることのできる小説。官僚機構という一種特殊な世界を舞台とし、時代背景も現在とは異なるとはいえ、主人公はじめ登場人物の各々が示す行動原理は、どれも社会人が標榜すべき態度の一つたり得るものと思う。 本作に描かれる心意気は決して時代遅れだとは思わないし(前記のとおり既に「古き良き」ではあるが…)、事実はともかくとして政治・行政が批判しか受けていない昨今にあっても、行政を志す若い人が読んで損はないはず。
高度経済成長時の、官僚達の姿を鮮やかに描く
戦後の高度経済成長を支えた、通産官僚達の生き様を描いた一冊。 通産省に新たな風を吹き込まんと、次官への出世街道を突き進む、高級官僚風越信吾が主人公。自らの構想を実現させるため、己の官僚生命を懸け奔走する。 現代において、本書で描かれた様な「官僚主導型の政治システム」が疲弊しているのは事実である。しかし、当時、崇高な気概を胸に国家のために働いた彼らの存在を、我々は忘れるべきではない。
経済(官僚)小説、そして組織(化された現代社会)に生きる人間ドラマ
通産省(当時)の実在の人間・事象をモデルにした経済(官僚)小説で あるが、同時に、組織に生きる人間ドラマ/組織化された現代社会 における生き様を考えさせる一冊、でもあると思う。 この本を最初に読んだのは、大学生になる前。 国家公務員を目指すにあたっての、1つのロールモデルと捉えながら 読んだ記憶がある。 「夢」「野望」「挫折」「戦略」「生き様」・・・、”国家公務員” を職に得て、”一人の人間として”生きていくこととは何か、自分 なりに早く経験してみたい(=大学生活の4年間さえも惜しい=)、 という感想を得つつ、何度も読み返した。 それからXX年、国家公務員とは異なるものの、自らの方向性にマッチ した企業体に職を得、様々な経験をしてきたなか、 これから、企業内でも/社会的な位置づけとしても、中堅および その後を展望しようというときに、 書店に積まれていた山をみて、改めて手にとって見た。 ・・・ そこに繰り広げられていたのは、やはり人間ドラマであった。 一人ひとりが、”自分はどう生きるべきか”を自問自答しながら、 社会および人生をを構想し/政界・省内外・業界等の人々へ働きかけ/ 時には結果を得(時には失い)・・・、 そういった積み重ね/繰り返しによって、地位を得、また人生を築いて いく。 積み重ねにより花を咲かせること、花が咲かなくともじっと耐えること、 どんな花を咲かせたいか/咲かせるにはどんな花が似合うのか。 花が咲くにはどんな栄養が必要なのか/どんなタイミングをどうやって 待つのか・得るのか・・・。 時代背景による差異を咀嚼しつつも、現在の世にも十分通用する エッセンスを含み/蓄えた一冊と感じる。
でっていう
官僚たちの冬の時代に読むと「でっていう」という感想しか思い浮かばない。ノートリアス・ミティ(悪名高き通産省)だとかアメ産で評判だったらしいが、もうそんな時代はおしまいだ。今から官僚になろうという人間は相当のマゾとしか思えない。 つかつか通産官僚だかなんだかしらんが、天下国家だの業界を指導だのアホかと。官僚が力持ってるなんてどこぞの後進国じゃい。東大法クラスが官僚行くなんて間違ってると思われ。
今でも決して色褪せてない通産官僚小説
本作品は昭和50年刊行だそうですが、今読んでも決して色褪せておらず、サラリーマンにとっては感じ入る場面が多く自分の仕事人生について色々考えさせられた通産官僚小説でした。 国会を窓枠の視野に入れながら仕事するものの、法案を作成する官僚を身近に感じたことはなかったのですが、先日外務省を訪れた際に初めて日本の官庁街を歩き、その一種異様な雰囲気・威圧感に圧倒されました。 それらが天下国家の為に働く官僚が生み出すものか分かりませんが、本書では通産省というその一組織にあって天下国家を考え、ある者は激務で病気に、ある者は殉職し、ある者は海外に飛ばされ、ある者は気概を持って海外に赴任し、ある者は本流から飛ばされ、ある者は本流に舞い戻り、そしてある者は政治家や他組織の官僚とやりあう姿が描かれています。 主人公の風越を中心に、彼が目をかける人材、彼の目に叶わない人材達がそれぞれの価値観の中で働く(闘う)わけですが、刊行から30年以上過ぎた今でも、組織の中で働く男のそれぞれの生き方、大臣と事務次官の対立、大臣・政府と事務方(官僚)の関係の描かれ方のどれもが全く色褪せていなく逆に新鮮に感じられました。 そして、彼らの個々の生き様を見、感じるにつけ、サラリーマンとしての自分の生き様が今のままで良いのかと自問自答するきっかけとなりました。自分を振り返るきっかけを与えてくれた城山さんに感謝しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。


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日本人が輝いていた時代
私は、趣味でモデルガン、戦闘機のプラモなどが大好きです。 戦争について関心を持つようになったのは趣味からきたものです。 地元が広島なだけあって、原爆のことはたくさん学べました。しかし、学校の授業等で特攻隊や太平洋戦争、大東亜戦争のことはあまり触れていない、全く触れていないと言っても過言ではありません。図書館で本を借り、映画を見たりして、細かいところまで、進んで学ぼうとしなかったら、今のように日本に生まれて良かったと、心底から思ってはいなかったでしょう。 そして思います。日本の教育というものは、どうなっているのでしょうか?と 日本がしていた戦争が「正しい」「正しくない」は置いといて、我々日本人は何の上に生かされているのか、ということに重点を置いて子ども達(大人含)に教えるべきです。 戦争の「せ」の字も知らない日本人、若者たちを生んでしまったのは日本の教育のせいです! 教科書に、率直に、あるがままに表現できないというのが悲しく苦しい現状でありますが、努力すべきことではないでしょうか? 他国、左翼からの批判を押しのけてでも教え込むべきだと思います。 全日本人にこの国に生まれた感謝を骨身にしみてほしいです。そして日本を愛して欲しい。 この本を読んで今の自分を見つめてみてはどうでしょうか。あの純粋に輝いていた青年達を思って生きて欲しい
戦争を知らない日本人への遺書
 経済小説の先駆者城山三郎氏には、経済小説の他に初期の「大義の末」以来「硫黄島に死す」や「一歩の距離―小説予科練」等の戦争文学がある。本書は筆者最晩年の作品で、レイテ沖での初めての神風特攻隊の指揮官関行雄と最後の沖縄戦での指揮官中津留達雄の、短い生涯(海軍兵学校同期の二人は共に23歳の死)を追ったノンフィクションである。膨大な資料の読み込みと国内外での丹念な現地取材に、城山氏自身の海軍4ケ月の体験(17歳で志願入隊)も重ね、戦争末期の海軍の組織崩壊の様々な様相―人間爆弾・人間魚雷その他の人命無視の特殊兵器開発や、無責任で身勝手な将校達―を冷静な筆で描く。  悲しくてやるせない話が多いが、特に辛かったのは、中津留大尉の最期である。優秀なパイロットであった大尉は本土決戦に備えて8月15日も生きていたが、敗戦の詔勅も知らされないままに15日の夕刻に宇垣纏司令官を同乗して大分基地から飛び立つ。ところが沖縄近海で米軍機や艦船に出会わないことからおかしいと気付き、司令官の米軍キャンプ突入指示に背いて近くの岩礁に飛び込み玉砕する。(城山氏はあのままキャンプに突入していたら戦後の日本は大変な事態になっていただろうと、大尉の行為を高く評価する。)また、筆者が取材の過程で出会った幻聴や幻影―中津市の料亭で荒れる特攻隊員達がつけた無数の刀疵に触れていて彼等の末期の叫びが聴こえてくる場面、沖縄の海で亡くなった特攻隊員達の真っ黒な頭が波間に浮かんでくる光景−には、胸が詰まる。  筆者あとがきに「初心に戻り、年来の課題をようやく書き終えた思い」とあるが、本書はあの狂気の時代に国家に命を捧げた若人達への、城山氏渾身の鎮魂の書である。彼らには、60数年後の、精神面文化面で劣化の道を辿っている日本は想像もつかないだろう。吉田満氏の「戦艦大和ノ最期」とともに、読後感は重く、深く考えさせられる。
幸福は花びらのごとく
この本を読んで、タイトルの哀しさが胸に沁みました。 今我々がこうやって日々生きていられるのも、先の戦争での尊い命の犠牲があってだと思います。 当時、自分の大切な人のために死んでいった人のことを思うと、 特攻というものを考え出した人や軍に怒りさえ覚えます。 その愚かさを忘れず、二度と繰り返さない為にも このような本が読まれることを望みます。
調べるということ
巻末に「主な参考文献」として76本の書名が列挙されている。 私家本あり既出の出版物あり非売品もある。 「主な」と書かれているので著者がこれ以上の文献数にあたって いるのはまず間違いない。 また「あとがき」では関係者への取材についての労苦が読んで取 れる。相当の時間もかかったことだろう。 昨今は歴史資料について安易なねつ造や恣意的に改変されたもの があると聞く。かの大岡昇平は「レイテ戦記」の原稿をその晩年 まで新たな事実が見つかるたびに手を入れ続けたという。 あの時代が何だったのか、語るべき役回りとなった作家達の誠に 頭が下がる思いがする。ある出来事について調べるということそ して理解することはいかに大変なことか。 ましてや当事者/経験者ならぬ身としてはこういった誠心誠意を つくした本を多く読みたい。また読み継がれていく本としたい。
空に散った才能
「特攻」と聞いても今のわれわれには きちんと感じ取ることが難しい。 当時の日本は一億総玉砕ということを 本当に考えていたのだろうか? 特攻はその始まりだと。 祖国を想い、家族を想い、 死んでいった戦友を想い、 空に散った輝かしい才能。 亡くなられたのは本当に惜しい。 日本の復興に力を尽くして欲しかったです。


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城山 三郎  
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くちコミ情報
城山三郎の言霊
本書は経済小説の大家である城山三郎氏の著作約100冊の中から、作者が小説の登場人物に語らしめた珠玉の言葉を編集・再編集したものである。書かれた小説はかなり年代の古いものもあるが、時間によって色褪せることのない言葉の数々を楽しむことが出来る。 中でも「失敗」や「挫折」に対して前向きな考え方を述べている記述が多い。例えば、「失敗はしようがありません。というより、失敗の数を重ねた者ほど成功するんじゃありませんか。失敗をおそれる人、失敗にくじける人が、本当の失敗者ですよ」とか、「挫折のない人というのはありえないと思うし、もしそういう人があったとしたら、人間として実に魅力がないでしょうね。・・・挫折というものは人間にとって大切なものだし、その人自身にとってもいろいろな人生の見方の重層性みたいなものを与えていくんですね。」という言葉で、勇気付けられることもある。 「挫折」した時、「生き方」を振り返る時に読み返してみたい一冊である。
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