2010年03月18日(木) Regional U.S.の第1位は
『Into the Wild』!
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Jon Krakauer
¥ 1,396(税込)
¥ 988(税込)
在庫あり。
ジャンル内ランキング:1837位
カスタマーレビュー数:14
【くちコミ情報】
著者が自己抑制していればほぼ完璧だった
いいノンフィクションだったが、既に13件のカスタマーレビューがあるので、2点だけ少々不満に思ったことを。 ひとつは、著者はなぜ自分の登山の話を、ためらいがちながらも、本書に挿入してしまったのだろう、ということ。もちろん、こういう本を書く人は最終的には自分を語りたいのだろうけれど、ここはこらえて、自分自身をそのまま登場させない方が、全体の緊張感を失わずによかったのではないかと思われる。 もうひとつは、私は、Ch is McCandlessも好意をもったWayne Weste e gに興味がわいたのだが、著者はこの人物をあまり詳しく書いてくれていないこと。
放浪者と冒険家
1992年春、アラスカの原野に足を踏み入れ、数ヶ月後に原野に 廃棄されていたフェアバンクス・バス車内で遺体となって発見され た若者クリス・マカンドレスの放浪の軌跡を追ったノンフィクショ ンである。彼自身はアラスカ行きをAdventu e in Alaskaと位置づ けていたようである。しかし、いわゆる冒険家達に見られる華々し さはなく、彼の行動は到達点を目指すというよりも移動そのもの、 あるいは移動先での生活、殊に食生活の中に大きな意味を見出そう としていたように思われる。 彼の理想は大自然の中で自力で食物を調達しつつ、国家社会の管理 を外れて生きてゆくことであった。しかしアラスカの自然の厳しさ を前にして、彼は原野での滞在数ヶ月にして餓死という悲惨な最期 を遂げた。人々は華々しくアピールする冒険家を賞賛しても、自己 の内面に語りかけつつ自然への回帰を目指すマカンドレスのような 人のことは理解も出来ず、その行動を経験不足、社会への不適応な どを理由に批判的に見ることが多い。だが多くの人は少年時代に1 度はマカンドレスのような理想を抱いたことがあるのではないだろ うか? そして少年のほとんどは次第にその様な理想を忘れてゆく 。マカンドレスはそうした夢を抱いたまま死んでいった稀な例なの だ。地球は今、自然破壊により、もしかすると滅亡に向かっている のかもしれない。文明の名のもとに一直線に破滅への道を進みたく なければ、マカンドレスのような若者のことを人はもっと理解しな ければならない。クリス・マカンドレスは20世紀末のまさにキリ ストであってしかるべきだ。しかし何故か彼自身は放浪をはじめた 頃からアレックス(アレクサンダー)を名乗り始めている。自身で は荒野をさ迷うキリストであるよりも、荒野を征服し尽くすアレク サンダー大王を意識していたのだろうか。自然への素朴な憧れと同 時に若者特有の倣岸が彼の心の中に潜んでいたに違いない。しかし アラスカの原野で暮らす中で彼は次第に社会や父母への敵対意識を 和らげていったように思える。だが彼が原野から人間社会への帰還 を決意した時、皮肉にも自然はそれを拒むかのように川の増水で彼 の行く手を塞いだ。そこで帰還を急がず、原野における彼の生活基 地としていたフェアバンクス・バスにとどまり、川の減水を待つ作 戦に切り替えた彼だったが予想外の異変が彼を襲った。突然身体が 動かなくなったのだ。食物を調達できなくなった彼は遂にフェアバ ンクス・バスの中で死を迎えることになるのだった。 本書の著者クラックヮーは自身も若き日にアラスカ南西部を放浪し た経験を持っている。その折、彼は峻厳な高峰デビルズ・サム( 悪魔の親指)に挑み、命懸けの苦闘の末、遂に頂上に立つことが出 来た。下山後、彼は居酒屋でデビルズ・サム登頂のことを周囲の人 に話したが、人々の反応の鈍さに拍子抜けしたということだ。クラ ックヮーのやったことはマカンドレスと違って、むしろ冒険家の行 動に近い。冒険家は瞬発力を世間に誇示する要素が多く、事前の宣 伝や資金調達が必要であり、華々しいアピール・ポイントも不可欠 となる。カラックヮーはデビルズ・サム登頂により自分の中の何か が変わることを期待していた。彼は内面思考者でありながら行動と しては冒険家のそれをとった。従って彼は下山後、人々の無関心に 戸惑い、また何一つ自分が変わっていないことに気づくのである。 上記のような自己体験を持つ著者クラックヮーはクリス・マカンド レスについては理解しきれないところが多くあることを認めながら も最大限の理解を試みつつ本書を書き上げた。マカンドレスがある 意味で傲慢なアレックスを名乗りつつ自然に対峙し、次第に自然の 力の偉大さを知っていったのではないかとクラックヮーは考えたの ではないだろうか。何故なら、マカンドレスは自身の死が近いこと を知った時期の日記ではあの気負いの目立つアレックスの署名を用 いず、父母がつけてくれたクリスという署名を用いているのである 。死の近いことを知ったクリスは別れの言葉を記した日記を掲げて 微笑んでいる自分の姿をカメラに収めてから死の床に就いたのだっ た。それは修道僧が神に召されるような静謐な眠りだったとクラッ クヮーは最後に記している。
「生きる」ことの意味を考えさせられます
1992年、アラスカの雪野に独り分け入って命を落とした青年クリスに関するノンフィクション。著者であるジャーナリストが、残された記録やクリスに出会った人々の話を聞きながら、彼の足跡を再構成していく。クリスのとった行動が正しいものだったのか、そうでなかったのか、彼はincompetentだったのか、さまざまな意見が著者の元にも寄せられたけれど、著者の主観は最小限に抑えて(って言っても、やはり彼もクリスに入れ込んでいるけど)、事実を淡々と語る感じがよかった。クリスが世を捨て、親を捨て、物欲を捨て、自然に焦がれてアラスカを目指す感じが、すごくよく伝わってきた。でも、クリス以外の、同様の道を歩んだ冒険者(?)たちの話もそこここに紹介されていて、それらはちょっと目障りというか、クリスの話から逸れてしまって、わたしは不要だったと思うのだけれど…。g eenなクリスみたいなアメリカ人は、きっとこれからも後を絶たないんだろうなぁと思う。それにしても、やはりご両親の心中は・・・と思ってしまうわね。plasticでmate ialisitcsな世の中であっても、「生きてこそ」なんじゃないかなと思う。でも、そんな世の中で生きることは、クリスにとっては本当の意味で「生きている」ことじゃなかったってことなのかな。生きるって、どういうことなんだろう、と考えさせられました。 英語は比較的平易で分かりやすかったですが、語彙は少々見慣れないものもあり、辞書無しではちょっときつかった気がします。
アラスカの自然、少年の勇気
裕福な家庭に愛されて育ちながらも両親の人間的弱さを許せず、優秀な成績で大学を卒業した後、かつてから魅せられていた自然の中での生活を求めて、アメリカ大陸を西へ西へ、そして最後はアラスカへと旅を続けていった青年の話です。 大きく分けてふたつのテーマに分けられると思います。ひとつは、自然と人間の関係。もうひとつは親子の愛情とすれ違いです。著者自身も自然に魅せられその中で生きてきた人で、そんな著者だからこそ描ける自然の描写、自然やそこに挑むものに対する解説が丁寧に描かれています。また、青年は両親がみせる弱さと自分におしつけてくる愛情、抑圧にたえられませんでした。でも、読み進むうちに、どんなに両親が青年を愛していたかに読者は気づかされ、切なくてしかたなくなります。もし彼が生き抜いて両親と再会していたら、どんな人生になっていただろうと思わずにはいられません。 最後に、ノンフィクションというジャンルから見てもこの作品の完成度は高いと思います。 青年に会ったこともない著者ですが、彼が描く青年像は私の前で生き生きと生命を吹き込まれ、語り、本を読み、悩み、旅を続けていくのです。著者はこの青年のことが大好きなのだと思いますが、感情に流されることなくさまざまな角度から冷静に分析していく様子もすばらしいです。 ノンフィクション作家を目指す人にも是非読んでもらいたい作品です。
初めての洋書
和書荒野へ (集英社文庫)を先に読んでいたのですが、 クリスの残した手紙や、数多くの有名な著者の残した一文、訳す前の地名など、 当事者たちの世界観をしりたくて洋書を買いました。 和書では日本人のために大まかな地図が載せられていましたが、 洋書は地形が分かるようになっています(地図のページ数は同じくらい)。 Into the Wildを語るには欠かせない一冊だと思うし、 欲しかった分、買って満足です。
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いいノンフィクションだったが、既に13件のカスタマーレビューがあるので、2点だけ少々不満に思ったことを。 ひとつは、著者はなぜ自分の登山の話を、ためらいがちながらも、本書に挿入してしまったのだろう、ということ。もちろん、こういう本を書く人は最終的には自分を語りたいのだろうけれど、ここはこらえて、自分自身をそのまま登場させない方が、全体の緊張感を失わずによかったのではないかと思われる。 もうひとつは、私は、Ch is McCandlessも好意をもったWayne Weste e gに興味がわいたのだが、著者はこの人物をあまり詳しく書いてくれていないこと。
放浪者と冒険家
1992年春、アラスカの原野に足を踏み入れ、数ヶ月後に原野に 廃棄されていたフェアバンクス・バス車内で遺体となって発見され た若者クリス・マカンドレスの放浪の軌跡を追ったノンフィクショ ンである。彼自身はアラスカ行きをAdventu e in Alaskaと位置づ けていたようである。しかし、いわゆる冒険家達に見られる華々し さはなく、彼の行動は到達点を目指すというよりも移動そのもの、 あるいは移動先での生活、殊に食生活の中に大きな意味を見出そう としていたように思われる。 彼の理想は大自然の中で自力で食物を調達しつつ、国家社会の管理 を外れて生きてゆくことであった。しかしアラスカの自然の厳しさ を前にして、彼は原野での滞在数ヶ月にして餓死という悲惨な最期 を遂げた。人々は華々しくアピールする冒険家を賞賛しても、自己 の内面に語りかけつつ自然への回帰を目指すマカンドレスのような 人のことは理解も出来ず、その行動を経験不足、社会への不適応な どを理由に批判的に見ることが多い。だが多くの人は少年時代に1 度はマカンドレスのような理想を抱いたことがあるのではないだろ うか? そして少年のほとんどは次第にその様な理想を忘れてゆく 。マカンドレスはそうした夢を抱いたまま死んでいった稀な例なの だ。地球は今、自然破壊により、もしかすると滅亡に向かっている のかもしれない。文明の名のもとに一直線に破滅への道を進みたく なければ、マカンドレスのような若者のことを人はもっと理解しな ければならない。クリス・マカンドレスは20世紀末のまさにキリ ストであってしかるべきだ。しかし何故か彼自身は放浪をはじめた 頃からアレックス(アレクサンダー)を名乗り始めている。自身で は荒野をさ迷うキリストであるよりも、荒野を征服し尽くすアレク サンダー大王を意識していたのだろうか。自然への素朴な憧れと同 時に若者特有の倣岸が彼の心の中に潜んでいたに違いない。しかし アラスカの原野で暮らす中で彼は次第に社会や父母への敵対意識を 和らげていったように思える。だが彼が原野から人間社会への帰還 を決意した時、皮肉にも自然はそれを拒むかのように川の増水で彼 の行く手を塞いだ。そこで帰還を急がず、原野における彼の生活基 地としていたフェアバンクス・バスにとどまり、川の減水を待つ作 戦に切り替えた彼だったが予想外の異変が彼を襲った。突然身体が 動かなくなったのだ。食物を調達できなくなった彼は遂にフェアバ ンクス・バスの中で死を迎えることになるのだった。 本書の著者クラックヮーは自身も若き日にアラスカ南西部を放浪し た経験を持っている。その折、彼は峻厳な高峰デビルズ・サム( 悪魔の親指)に挑み、命懸けの苦闘の末、遂に頂上に立つことが出 来た。下山後、彼は居酒屋でデビルズ・サム登頂のことを周囲の人 に話したが、人々の反応の鈍さに拍子抜けしたということだ。クラ ックヮーのやったことはマカンドレスと違って、むしろ冒険家の行 動に近い。冒険家は瞬発力を世間に誇示する要素が多く、事前の宣 伝や資金調達が必要であり、華々しいアピール・ポイントも不可欠 となる。カラックヮーはデビルズ・サム登頂により自分の中の何か が変わることを期待していた。彼は内面思考者でありながら行動と しては冒険家のそれをとった。従って彼は下山後、人々の無関心に 戸惑い、また何一つ自分が変わっていないことに気づくのである。 上記のような自己体験を持つ著者クラックヮーはクリス・マカンド レスについては理解しきれないところが多くあることを認めながら も最大限の理解を試みつつ本書を書き上げた。マカンドレスがある 意味で傲慢なアレックスを名乗りつつ自然に対峙し、次第に自然の 力の偉大さを知っていったのではないかとクラックヮーは考えたの ではないだろうか。何故なら、マカンドレスは自身の死が近いこと を知った時期の日記ではあの気負いの目立つアレックスの署名を用 いず、父母がつけてくれたクリスという署名を用いているのである 。死の近いことを知ったクリスは別れの言葉を記した日記を掲げて 微笑んでいる自分の姿をカメラに収めてから死の床に就いたのだっ た。それは修道僧が神に召されるような静謐な眠りだったとクラッ クヮーは最後に記している。
「生きる」ことの意味を考えさせられます
1992年、アラスカの雪野に独り分け入って命を落とした青年クリスに関するノンフィクション。著者であるジャーナリストが、残された記録やクリスに出会った人々の話を聞きながら、彼の足跡を再構成していく。クリスのとった行動が正しいものだったのか、そうでなかったのか、彼はincompetentだったのか、さまざまな意見が著者の元にも寄せられたけれど、著者の主観は最小限に抑えて(って言っても、やはり彼もクリスに入れ込んでいるけど)、事実を淡々と語る感じがよかった。クリスが世を捨て、親を捨て、物欲を捨て、自然に焦がれてアラスカを目指す感じが、すごくよく伝わってきた。でも、クリス以外の、同様の道を歩んだ冒険者(?)たちの話もそこここに紹介されていて、それらはちょっと目障りというか、クリスの話から逸れてしまって、わたしは不要だったと思うのだけれど…。g eenなクリスみたいなアメリカ人は、きっとこれからも後を絶たないんだろうなぁと思う。それにしても、やはりご両親の心中は・・・と思ってしまうわね。plasticでmate ialisitcsな世の中であっても、「生きてこそ」なんじゃないかなと思う。でも、そんな世の中で生きることは、クリスにとっては本当の意味で「生きている」ことじゃなかったってことなのかな。生きるって、どういうことなんだろう、と考えさせられました。 英語は比較的平易で分かりやすかったですが、語彙は少々見慣れないものもあり、辞書無しではちょっときつかった気がします。
アラスカの自然、少年の勇気
裕福な家庭に愛されて育ちながらも両親の人間的弱さを許せず、優秀な成績で大学を卒業した後、かつてから魅せられていた自然の中での生活を求めて、アメリカ大陸を西へ西へ、そして最後はアラスカへと旅を続けていった青年の話です。 大きく分けてふたつのテーマに分けられると思います。ひとつは、自然と人間の関係。もうひとつは親子の愛情とすれ違いです。著者自身も自然に魅せられその中で生きてきた人で、そんな著者だからこそ描ける自然の描写、自然やそこに挑むものに対する解説が丁寧に描かれています。また、青年は両親がみせる弱さと自分におしつけてくる愛情、抑圧にたえられませんでした。でも、読み進むうちに、どんなに両親が青年を愛していたかに読者は気づかされ、切なくてしかたなくなります。もし彼が生き抜いて両親と再会していたら、どんな人生になっていただろうと思わずにはいられません。 最後に、ノンフィクションというジャンルから見てもこの作品の完成度は高いと思います。 青年に会ったこともない著者ですが、彼が描く青年像は私の前で生き生きと生命を吹き込まれ、語り、本を読み、悩み、旅を続けていくのです。著者はこの青年のことが大好きなのだと思いますが、感情に流されることなくさまざまな角度から冷静に分析していく様子もすばらしいです。 ノンフィクション作家を目指す人にも是非読んでもらいたい作品です。
初めての洋書
和書荒野へ (集英社文庫)を先に読んでいたのですが、 クリスの残した手紙や、数多くの有名な著者の残した一文、訳す前の地名など、 当事者たちの世界観をしりたくて洋書を買いました。 和書では日本人のために大まかな地図が載せられていましたが、 洋書は地形が分かるようになっています(地図のページ数は同じくらい)。 Into the Wildを語るには欠かせない一冊だと思うし、 欲しかった分、買って満足です。
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【くちコミ情報】
古き良きアメリカ
1951年生まれのベビーブーマーたる著者が、自分の子供時代(主に1950年代)のアメリカの様子を、自分が育ったアイオワ州デモインでの生活を中心にして綴っている。その頃は、現代と違ってあらゆる面で単純で、ある意味脳天気な時代だったことが分かる。著者はその時代を懐かしむと同時に、その時代のアメリカの無神経さが生み出した様々な矛盾を指摘することも忘れない。 色々なことが大げさに書いてあり、たとえば歳を取っている人は「少なくとも300歳以上」とか、ベビーブームで子供が多かったために、フットボールの遊びは数百人で同時にやっていた、などというさりげないナンセンスで笑わせるのだが(著者自身がThunde olt kid であったという話もその一つ)、読後感としては、失われたよき時代に対する郷愁を僕自身も覚えた。その意味では、著者の処女作、The Lost Continent に近い部分がある。
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