2009年01月07日(水) 経済・社会小説の第1位は
『責任に時効なし―小説 巨額粉飾』!
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嶋田 賢三郎
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カスタマーレビュー数:13
【くちコミ情報】
名門企業も舵取る人達の倫理観で沈む。
明治の半ばに設立され120年の超名門企業の一つ「トウボウ」は、兵頭忠士社長と桜木英智副社長のコンビが嘘に嘘を厚塗りし、しかも昔から歴代のトップが粉飾に手を染めてきた腐りきった組織の内輪話だ。一応架空とはしても誰もが知っている大事件をそのまま名前を置き換え、臨場感に溢れ、読みやすい文体で560ページの大作も読者を飽きさせない。しかしそれにしてもエンロン事件以降、新会社法、金融商品取引法にて企業に更に網を掛け、企業統治だ、内部統制だ、企業コンプライアンスだ、Going Conce nだと、言葉が先走り氾濫しているが、これで「トウボウ」のような企業犯罪はなくなっていくのだろうか。段々米国的に株主に眼を向けるようになり株主の為のみに経営を行なっているような昨今、四半期の近視眼的な業績に血眼になり、業績不振を責められ、赤字どころか債務超過に陥るような瀬戸際には、「トウボウ」のように倫理より利益を選んでしまう企業や経営者はなくならないのでは。また米国とまではいかないが、代々トップは経営責任より役員報酬、役員慰労金に興味あり、不祥事はそのまま後任に受け継がれる企業もなくならないのでは。兵頭社長や桜木副社長から「決算数字を何とかしろ」と厳命を受けるように、一般企業も経営トップの不法行為に敢然と阻止できない管理部門責任者も出てくるのでは。結局は社長の資質の低さ、倫理観の欠如、統帥権の使い方の誤り、それに保身が邪魔をし、内部通報も機能せず、監査法人の監査自体も限界があり、監査役会は未だに機能しないという、これら全てが合わさればまたいつかエンロン級とは言わなくとも「トウボウ」級はすぐ次にそっと控えているか。
真実とは何か
本書は誰もが一度耳にしたことがある、超有名企業カネボウの粉飾事件の真相を描いた小説という名の実話である。読み始めると、その当時の関係者にでもなったかのごとくリアルな会話のやり取りと人間模様に、瞬時に引き込まれていく。 普段新聞や雑誌で得ている情報がどこまで真実なのか?欺瞞に満ちたこの世の中に、どこまで自己を真実とし、主張出来るのか考えさせられた。私も一家のサラリーマン。家族を思えば、社長(上司)が白と言えば黒なんて、ましてたった一人なら尚更、目の前の己の保身に走ってしまう弱気人間だろう。著者の嶋田氏はそのため2度の左遷にあったという。ほとんどが実話であるが残念ながら、番匠(著者嶋田氏)を支える朝霧ゆうなはフィクションであり、番匠自身もニューヨークにはいない。男はどうしてもこういう女性に夢を見るのだろう。だが現実は悲しく、心の支えもなく番匠は当時一人で戦い抜いた。その結果番匠が得たものとは・・・ ビジネスマンなら必ず読んで、自問してほしい。今自分がしていることは本当に真実なのか?
著者の倫理観を問う
まるで、子供の告げ口である。少なからず専門分野の著者嶋田氏、何故、社に在籍中戦わなかったのか。不起訴処分になったと言うことであっても、起訴された事実は、過去であろうと同罪ではないのか。現在NYに在住との事。社員であった時、女性問題で起訴されたり、常務まで、上りつめたのは、ここで暴露本の中に登場する幹部のお陰ではないのか。人として、人生を終えるとき、何人の人に心から感謝して終えれるのか、今一度自分の事は棚にあげずに、責任には時効なしの意味を自分の事として見つめ直して欲しい。ある意味、この書籍は人の醜さを一番卑怯で卑しい事は何か、と気づかせてくれる書籍。最後に嶋田氏、人に生まれて、してはいけない事は何ですか。醜いことは書き残さず、醜いと気づいた時に、心と知恵をしぼって正すことです。
リアル!
08/11/19の日経新聞の書評を参考に購入。 書評子の『ひさしぶりの五つ星』という書き出しにキャッチされる。 著者はカネボウの財務経理担当重役というから、実録小説であろう。 オールドジャパンを代表するカネボウの凋落から崩壊までが描かれている。 粉飾決算を繰り返す企業風土がいかに生まれたのか? 読者はそれぞれの答えをもつだろう。 ひびわれた名門企業をのりづけしつづける主人公、番匠。「営業の神様」といわれた兵藤社長とメインバンクからきた桜木副社長のコンビ。この二人のルサンチマンと保身がカネボウにとどめを刺した。天皇といわれカネボウに君臨し続けた西峰。番匠の理解者でありながら西峰にあらがうことのできない、伊志井副会長。メインバンクの住友頭取重宗は、カネボウをつぶす決断をする。粉飾された決算書にお墨付きを与えてしまう、監査法人中央青山の公認会計士たち。 崩れかけたカネボウにたかる企業。ファンド。 大小はあろうが、現在進行形の日本的企業風土の原型を見た。 ただ、私の知っているカネボウ関係者は、いまでもカネボウに在籍していたことを誇りに持っている。彼らの心の中のカネボウは、超名門企業なのだ。
責任に時効なしー本当です。
タイトルに興味があって購入してみました。最初は内容が難しいかなと思いましたが、読み進むうちになんとなく理解ができ(注釈とかあったからでしょうかね)、特に化粧品部門の買収時の章は本当に興味深かったです。小説ということですが、現実にあったことがかなり盛り込まれているのでしょう。読み終わった後、今の世の中について改めて考えてしましました。どんな人間にも「責任」はありますが、組織のトップに属すると言われている人達のその「責任」はその組織の生死を握っていることをこの小説は証明しています。理不尽な世の中ですが、その「責任」を持った時どう対処すべきか・・・・多くの人に、特に組織のトップに属する方に読んでもらいたい本でした。
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【くちコミ情報】
投資銀行がわかる、でももっと厳しいところもある
投資銀行に務めて者としては少し古いんじゃないのというのが感想である。 それとまだ甘いつまり投資銀行で働くということはもっときつい部分もあります。 なので邦銀の描写も甘い部分があるのだろう。 しかしストーリーに引き込まれる著者の筆力はすばらしい。 この業界に詳しくない人には勉強にもなりますし。 何よりも、銀行で働く人間の行動パターンを知ることができるのでしょう。 そこにこそこの本の価値があると思います。
経済新聞を10倍楽しむ方法!
この文庫は2005年11月にダイヤモンド社から刊行された単行本を文庫化したものです 訂正や加筆はないようで、記載されていません。 裁定取引だとか、コール、プットオプション等、経済新聞やユースで見たり聞いたり する言葉が頻繁に出てきます。 自身で株や為替取引をされているなら、これらの用語もすんなり理解できるかもしれ ませんが、投資にあまり力を入れていない方々には聞いたことがあるけど、よくわか らないって方が多いと思います。私自身がそうです。 しかし、不思議とこの小説を通して今まで分からなかった部分がわかってきました。 よく「漫画でわかる○○」などというタイトルがありますが、この小説にそんなサブ タイトルを付けるとすれば、「小説でわかる投資銀行」ではないでしょうか。 上巻の巻末には金融経済用語集が付いており、少しくらい用語が分からなくてもでも 楽しめると思います。 物語は実際に起こった経済的イベントが時系列で発生し、そこに書かれている人や企業 もほとんど実名です。実名でない部分も容易にそれが誰を、どの企業を言っているのか が分かります。 物語は1985年から2003年まで、その間に起こった様々な出来事…… 日本のバブルや911などの大きな節目、それらが物語のなかで展開され、それが事実な だけに臨場感ある作品になったと思いました。
日本発本格的金融小説として最良
金融業界を背景とした小説としては、高杉良、幸田真音、橘玲などのものを 読んできたが、そのいずれのものよりリアリティがある、と感じた。 金融業界、とりわけ外資系を内側から観察した作者ならではの作品だろう。 上述の作者の作品を読んで好感を持った方には、本書を強くお薦めしたい。
いかに生温いか
描かれている日本の銀行等の様子、おそらくこの小説こそ真実を光らせてみせているのだと思います。 誇張であったとしても。 となると、いかになまるい世界で日本人が働いてきたかということかと。 自分の仕事を鑑み、反省しきりでした。 仕事の発奮用にいい教材だと思います。 何のために働くのかという問いが示されています。 この小説を読んでから、山一証券の破綻直前を描いた「決断なき経営」を読むと 会社内の様子がリアルに感じられます。
今の金融危機に至る過程がわかる
面白い。投資銀行業務の教科書のよう。国際的で、刺激的、繁忙で、競争の厳しい投資銀行の世界に自分も一員となっているような、そんな臨場感があって読める本。
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素晴らしいが・・・
素晴らしい小説でした。減点主義でしか人を見ようとしない邦銀は日本の学校と全く同じで高校教師として感じるところが多々ありました。ただ、一つだけ減点をさせてもらえば、トラファルガー広場の説明で、イギリス艦隊がスペインの無敵艦隊を破ったことを記念して…とありましたが、トラファルガー広場はネルソン提督がナポレオンのフランス艦隊を破ったことを記念して造られたものです。あまりに初歩的なミスなので、少し残念でした。
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すさまじい取材・分析の成果物
エネルギー源価格が高騰し各国がその囲い込みに走る中でタイムリーなテーマであるが、本書では原油、天然ガスをめぐる投機の動き、イランやサハリンにおける開発の動きなどが政治的な動きを含めてこれでもかというくらいに緻密に述べられており、ほぼノンフィクションといってもよいくらいの内容。新聞などで報じられている表面的な事実の裏で、エネルギー源をめぐって国際的にこんな動きになっていたんだということがよく理解できた。ただ、構図が分かってますます我が国のエネルギー安全保障の脆弱性に危機感を持ってしまった。内ゲバに興じている場合ではない。
■黒木さん、相変わらずキレ味鋭いです。
・面白かったです。黒木亮ファンなので著作はほとんど読んでいます。 ・個人的には下巻では”第14章 破綻”が面白かったです。 ・かの有名な”CAO経営破綻事件”を取り上げています。 −中国国営の航空燃料供給大手の中国航空油料集団の子会社CAOがデリバティブ取引で約560億円の損失を出した事件をリアルに再現しています。事件は確か2004年だったと思いますが、構図や親会社とのやり取りがどこまでがノンフィクションで、どこからがフィクションなのかは全く分からないほどです。 −その当事者であるCAO社長の苦悩もさることながら、日本のサラリーマンの中では狡猾であろうと思われる住友銀行マンがいとも簡単に嵌められていく様、商品相場の根本的な構造変化を理解せず損を重ねる様々な関係者の思惑がリアルに描かれています。エンロンにせよ、CAOにせよ、破綻する直前まで世界の優良企業と持て囃されていたのこともぞっとします。 ・今回も購入して損はしない作品に仕上がっていると思います。
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【くちコミ情報】
エネルギービジネスを通して描く21世紀
著者の小説は、「巨大投資銀行」に続き2作目。 率直に言うと、後半はどこまで理解出来たか、自信がない(笑)。 「巨大投資銀行」は、金融の世界を通じて、バブル前夜から、その崩壊までの時代を描いたもので、すでに「歴史」になった時代のことだったからなのか、スムーズに読めたのに較べると、今作はエネルギー問題そのものの見通しの難しさからか、エネルギービジネスのスキュームの複雑さからなのか、今現在のことだからなのか…、とにかく後半は難解に感じてしまった。 下巻の3分の1を、苦手な数学の授業を受けているような気分で、とにかくも読み切ることができたのは、やはり作品の持つ力ゆえだろうか。 私のように金融、経済にあまり詳しくない方は、「巨大投資銀行」を読んでからの方が、分かりやすいと思う。 少なくとも、下巻の3分の1位までは、物語を楽しめるはずである。
よく取材されてます
小説自体のストーリー性は並だと思いますが、描写の仕方が素晴らしいというかリアリティーが感じられてすごいです。商社とかトレーディングに興味ある人には面白いと思います。
湾岸戦争後から話が始まります。
この作家の小説は、「トップ・レフト」以来注目していました。 ほかの方も書かれていますが、この「エネルギー」と言う小説は、ち密な取材に基づいた事実を基にした小説です。 新聞、テレビのニュースでは伝えられていなかった舞台裏が書かれておりとても興味深く読むことができました。 金融関係の説明もあり、楽しみながら勉強もできると言うこの作家の小説の良い特徴がとても出ています。 ただ、説明に図が用いられたらもっと簡単にわかりやすく読めるのにとも思いました。 その点、残念でした。 (最も、分からなかったところは目を通すだけでも楽しめますが・・・) 途中、間延びしている感じもありましたが、トータルで見るとお勧めな小説です。 (下巻の最後に用語説明集が付いています。)
すさまじい取材・分析の成果物
エネルギー源価格が高騰し各国がその囲い込みに走る中でタイムリーなテーマであるが、本書では原油、天然ガスをめぐる投機の動き、イランやサハリンにおける開発の動きなどが政治的な動きを含めてこれでもかというくらいに緻密に述べられており、ほぼノンフィクションといってもよいくらいの内容。新聞などで報じられている表面的な事実の裏で、エネルギー源をめぐって国際的にこんな動きになっていたんだということがよく理解できた。ただ、構図が分かってますます我が国のエネルギー安全保障の脆弱性に危機感を持ってしまった。内ゲバに興じている場合ではない。
リアリティあるビジネス小説です
著者の小説には、他の経済小説にはないリアリティがあり、その緻密さにはいつも感心させられます。エネルギー業界のことはよく分かりませんが、それでも読んでいるうちにその世界に引き込まれてしまいました。
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注意喚起
ドラマ版のハゲタカをご覧になり、本書を読もうかどうか検討されている方へ。 単刀直入に申し上げると、ドラマ版と本書は全く別の作品です。ドラマ版のような感動を本書に期待するとその期待は見事に裏切られるでしょう。ドラマ版の鷲津は冷酷な仮面の下に優しい素顔を隠し持った非常に魅力的な人物でしたが、本書の鷲津は陰険、狡猾、強欲、傲慢なハゲタカそのものです。また、全体的に怒り、憎しみ、復讐といった感情が流れており、読んでいてあまりいい気分はしませんでした。 本書から材料として使われている部分はありますが、ドラマ版においてイニシアティブをとったのはこの著者ではなく全く別の方だと推測されます。ですから、ドラマ版とは全く異なる作品であるということを理解した上で読むかどうかを検討されるといいと思います。
ものすごく「当たり」
NHKでドラマをやっていたのを番組表で見て気になって読んでみた。 軽いテイストの本か,故なきハゲタカ批判の本かと勝手に思い込んでいたが,実は骨太な企業再生,日本再生に燃えて,それを実現するために奔走する人たちの本である。 また,ハゲタカとイヌワシの違いも知らなかった自分が恥ずかしくなった。 どこまでが実話かは評価できないが,当時起こった事象が有機的に繋がっているため結構真実味があり,現実もあたらずとも遠からずではないかと想像する。企業名も推測可能な名前になっているのがおかしい。 ハゲタカというと死肉をむさぼるというイメージがあるが,実は事業再生,産業再生ビジネスの本質はそうではない。 本業が健全であるにもかかわらず同族による乱脈経営で窮地に陥っている例も多い。そのような中,不採算事業を切り捨て,債務を切り離し,経営者の一新を図り,新たに資金を入れて設備の更新を図って事業を再生するビジネスの実際的な有効性は,本書を読んで初めて理解できたと言っていい。 一方,最後まで企業にしがみつき,それをしゃぶりつくそうという同族の「欲」という業の深さも余すところなく語られる。 再生ファンド,M&A,DIP等のファイナンスはさまざまな本で手順が語られるのを自分なりに読んできたが,これをこのような切り口から法律や各種の制度を理解しながら,鮮やかに物語として語っていく著者の筆力はただものではない。株式や債権をどの程度持っていると何ができるのかという辺りのノウハウはハゲタカしか持っていないだろう。 あと,興味深かったのは,産業再生の現場は,権謀術数渦巻く戦いの場であるということである。人脈,情報を駆使したもののみが勝者になれる厳しい世界である。ただ,このようなダイナミックな世界に若い人はあこがれるのではないだろうか(成功報酬で報われるわけであるし。これに比べると普通の大企業は退屈でしょうがないものであろう)。
面白い!これは買いです。
私は最初にNHKのドラマを見て、テーマが面白く、原作を 手にとりました。 ドラマとは違うストーリー・価値観があり、別のものとして 面白く楽しめます。 経済小説なのですが、純粋なフィクションとして楽しめます し、肩肘張らずに読めます。 ストーリーテラーとしての作者の腕前は確かなものと、偉そ うではありますが感服しています。 ご一読をお勧めします。 但し、実際のファンドや会社(多くは問題会社なのですが、 多かれ少なかれ、どの会社にも内在する問題意識です)とは 当然違うものなのだ、ということを踏まえて、楽しんでほし いと思います。
展開が速い
どうでもいい感想だが、全編通して登場キャラのリン・ハットフォードが鬱陶しい。 このキャラを読者に好かせようと思ったのか嫌わせようと思ったのか 著者の意図がどちらにあるのかはわからないが、前者だとすると思いっきり外していると思う。 あと経済小説なので仕方が無いのかもしれないが、キャラの心理描写(文章表現)が弱いと感じた。 自分の金融についての知識が乏しいせいか、ところどころ会話の流れが理解しにくいところがあった。 展開が速いので読み始めれば一気に読めるタイプの小説だと思う。
経済小説として気軽にはまれます
スリリングな展開と、まさにハゲタカのようなテンポの速さで、あっという間に読み終えてしまいました。 最初は「上」だけ購入しましたが、すぐに「下」も購入しました。 著者の”記者”としての経験からか、失われた10年とはこういう世界だったのか、とその世界に入り込んだように感じられます。 ただ、主人公鷲津のあまりにも人の心を読んだ行動に、最後は違和感のほうが大きくなった気も。 経済小説として、電車の通勤時に気軽に読むことができました。
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【くちコミ情報】
ドラマと違って鷲津に感情移入できませんでした
先日テレビドラマの再放送を見た後、本作を読みましたが、 あまりにも設定が違いすぎるので、衝撃を受けました。 ドラマでは以前、三葉銀行に勤めていたときに 「 事件 」 が起きたという 鷲津の過去があるため、彼に感情移入できましたが、 本作の鷲津には、特に感じるものがありませんでした。 また、貴子という女性の父親が娘が退陣しろと言っても承服しないのに、 彼が敬服している元首相の前だと舞い上がってしまうというのは、 このような親子関係など、読んでいて鬱になるものでした。 この世界に生きている人たちの仕事に対する思いというのが私には全く理解できないので、 作品世界に入っていきにくかったです。 元々、本作のような世界にあまり関心がないという理由もありますが ( 実在の人物が出てくる 「 小説 東急王国 」 や 「 小説 小林一三 」 は大変面白かったのですが ) 、 個人的には、それほどの引きは感じませんでした。 企業再生という題材は 「 お勉強 」 にはなりますが、 あまりにもドラマチックな作りだったドラマと比べると、 「 普通 」 の作品という認識しか持てませんでしたね。
続編を前提にして書いているのではないか
企業再生ファンドを基にした経済小説 解りやすい文書で一気に引きずり込まれるように読みました. 下巻は,上巻よりも金融の知識が少なくなり経済小説を楽しむというよりも 経済を基にしたミステリーという色合いが濃くなっています. 評価が5でないのは経済の色合いが薄れたためであり,感情などの 小説的な内容を楽しむ人にはとても楽しい本ではないかと考えます. 元々が新聞記者であった作者の性格か,丹念に調査し 調査からのイメージを基に作品を作っているところが随所に 感じられ,とてもすばらしいと思います. 脇を固める登場人物も丹念に書かれている本作品を映像に するのは中々難しい,それほど良い作品だと思います.
上下一気によめます。
メガバンクの不良債権問題も複雑に絡まってる問題で、 これまで現実では分かりにくい事も多かったが、 実は単なるお金の戦いだけでなく、人対人である部分も多く、 またどこと手を組むかで結果が大きく変わる。 大半が現実社会で起きていることだけに恐ろしい感じもした。
「ファンド」は、何を目指し、どういう役割を果たしているのか
実際に日本で起こっている企業の「再生」「合併」「買収」など、きれい事ではすまないドライな経済競争・経済戦争が、自分のような素人にもピリピリしたせめぎ合いを実感できるほどに、丁寧に描かれています。 特に、現実社会でも「ハゲタカ」として忌み嫌われている感のある「ファンド」が、何を目指し、どういう役割を果たしているのかが分かります。 それを象徴する鷲津という存在が、下巻の途中以降、さまざまな思いや背景が明らかになる中で、浮き彫りになってくる課程が、読者の「ファンド」に対する理解と重なるのは当然でしょう。
下巻も当然ドラマと別物!
下巻もドラマと全く別物の展開で、またびっくり。NHKさん…これだけテンポの良い 原作をあんなに重苦しいドラマに変えてしまうなんて…。フジテレビor日本テレビ あたりで改めて原作重視のドラマを作って欲しいくらいです。 下巻も上巻同様に面白い。この巻は東ハトをモデルにしたとおぼしき太陽製菓買収の 話と上巻の続きでミカドホテルの話…そして上巻の冒頭に大蔵省で切腹した人物と 鷲津の意外な関係までが描かれている。 テンポ良く話が進んでいく上に、最後の大どんでん返しに息を呑む。もちろん下巻も 上巻同様の臨場感が「ハゲタカ」の身上。そして続いていくバイアウト(ハゲタカ2) にも大いに期待です。
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アジアでも屈指のオフショア金融センターである香港と日本を舞台に繰り広げられる国際金融情報小説。この小説の特徴は、通常の金融サスペンスと比較してその状況設定、描写がリアルな点にある。著者の橘玲は、「ゴミ投資家」シリーズで知られる「海外投資を楽しむ会」創設メンバーの1人であり、自ら相当の金融現場を経験していると思われる。 小説の主人公である工藤秋生は、34歳で香港在住のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)。都市銀行、ニューヨークの投資銀行、ヘッジファンド運用会社を経て、現在は香港で日本人を相手にオフショア関連のアドバイザーをやっている。その工藤のもとに日本から若林麗子と名乗るゴージャスな美人が現れる。日本での複雑な事情も知らぬまま、工藤はその美人に香港でオフショア会社、オフショア銀行、私書箱サービスを利用したスキームを提案。 しかし、その数か月後、日本から黒木という男が工藤のもとにやってきたとき、工藤は自分がとんでもない深みにはまっていくことを知る。麗子は黒木が関係する50億円を日本から送金し、そのまま行方をくらましているという。黒木はオフショア事情に精通している工藤に助けを求めたのだった。 その後、工藤は日本に飛び、話の全容を知ることになる。50億円のありかを求めて再び香港に戻り、さらに日本に戻る工藤。話はいよいよ複雑に絡んだ結末へと向かう。美人麗子の運命は? 麗子が絡んだ50億円の行方はいかに? 本書の内容はあくまでフィクションであるが、端々に出てくる情景や設定、金融実務の話はリアルな現実である。香港での金融実務の現実を知ることができる、貴重な内容といえるだろう。(木村昭二)
【くちコミ情報】
面白い、申し分なし。
橘玲氏の本は数多く読んでいるが、本当に面白い。ビジネス書籍類でもこの小説でも気に入りました。うまいところを指摘する面など氏の本は投資の面でも参考になる。そのくせ知識をひけらかすようなイヤミの全くない氏の本はとうとうほとんど買ってしまった。氏はインテリジェントだがざっくばらんな人間性の良さも伝わってくる。マネーロンダリングは小説式だがまさにそう、そうすればいいのだと思わずにいられかった。小説として読んでも悪くない。退屈しなかった。氏の本は今後も楽しみにしようと思う。
とりあえず、橘玲は、小説を書くべきでない
小説なので、役立つ必要も、実際に存在する必要もないのですが、 マネーロンダリングの具体的な方法や、いろいろなテクニックを書いていて初めて、 橘玲のもともとのファンは、リアリティを感じて納得するのではないでしょうか。 そういうリアリティはないですので、氏のもともとの読者向きではないといえます。 ただ、一般の読者には、そんなこと長々と書いては興ざめなのでしょう。 一般の読者が読むと「マネーロンダリングという凄いものが世の中にあるんだなー」 と感心するでしょうが、 氏のファンが読むと、「突っ込みが甘い。もっと手口も含めてリアリティがたりない」 と思われるのではないでしょうか。
金融ビジネスの危うさ
小説という形ではあるが、そこには 筆者の金融の豊富な知識がちりばめられており、勉強にもなったし、面白かった。 金融ビジネスにはモノとカネのやりとりではない、一種不思議な商取引の 危うさ、難しさ、そして魅力があります。 近々始まるであろうCO2排出権ビジネスもそうですが、実態のないものの 取引に翻弄される人間のあさましさを感じました。 小説としてちょっと物足りなかったのは麗子の人物描写がタンパクで、 ただ美しいとしか書いてないのでうまくイメージできませんでした。
傑作!の一言に尽きる
序盤のストーリーにはグダグダ感があるが、中盤からスリリングで一気に読破できる。 秋生の知的さと人間くささには魅かれる部分がある。 経済小説とゆーより若干サスペンス。 とりあえず面白かった。
マネーロンダリングについて知りたいときに読むといい本
香港でのマネーロンダリングを題材として、現実の法律の抜け道や矛盾点を上手く描いている 今まで知らなかった世界《マネーロンダリング》について知るきっかけになった。どちらにしろ大きな金を得るためには危険を冒さなければならない。 印象に残った言葉 「上手い資産運用は→資産運用をしないこと・税金を払わないこと」 マネーロンダリングについて知りたいときに読むといい本
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【くちコミ情報】
「村岡」を笑えるかどうか。
激しい駆け引きを繰り広げる登場人物の中で、要領だけでお気楽かつ怠惰なサラリーマン生活を送る「村岡」。 あまり本筋にも関係なく完全に脇役扱いですが、個人的には影の主役と思っています。やたらと熱量の多い登場人物たちに囲まれた中で、初めて彼を見ると思わず侮蔑を感じずにはいられないのですが、ふと自分を思い返してみると果たして彼を笑えるかどうか。 ふつうのサラリーマンから言わせて貰えば、「村岡」がスタンダードに近いでしょ。彼のことを笑えるような会社員ってそんなに多くないはず。だから、彼が辿った末路については複雑な心境です。 ストーリーについては前作と同様スピード感もあり、一気に読ませます。けれども後半はなんだか「大スペクタクル ハリウッド超娯楽大作!」といった大味な感じなので少し減点。
現実感の乏しい経済小説
前作は読んでませんが、テレビで放映されたのとは話がずいぶん違うのでそれなりに面白さはありました。しかし話が大きくなりすぎていること、主人公がカッコよすぎることで経済小説としては現実感がなく途中で白けてしまいました。現実の経済活動はあくまで利益至上主義であって社会正義や死んだ部下のために巨額の退職金を蹴ってファンドを立ち上げるというのはありえない話に思われます。題名がハゲタカだけにもっと生々しくリアルな企業買収劇を読みたかったです。
続編の悲しい性のような出来
もともとの題がバイアウトだった長編経済小説の下巻 私に限らずハゲタカは皆,高い評価だったのにも関らず,続編である このハゲタカ2は低い. 多分,上巻の伏線であった,軍事政商のやっつけかたや,あるサラリーマンの 最後,なによりメインの企業再生について,新しさが見られないためでは ないかと思う. また,殺人とも思われる重要な人物の死が下巻で解決している 訳ではなくさらに続編で解決されるような伏線が感じられるのは 不完全燃焼のくささを感じる. とはいえ,ハゲタカ2で言いたかったと思われる,企業再生に 必要なのは,再生ファンドでもお金でもなく,意思の力というのは ミカドホテル,シャイン,曙電機の全部で言いたかったことの 様な気がする. 今後の続編として,まだ主人公がまだ,トンネルから抜けきれて 居ないこと,現在の複雑な経済状況など題材は色々あるので 楽しみではある.
次回に続くのか
ハゲタカの前作には少し劣りますが、 それでも、一気によめます。 話が大きくなり、ドキドキハラハラはありますが、 リアリティがなくなってるのは残念 ラストで次回作へ続きそうな気配も。
スピード感はある
前作「ハゲタカ」の続編で、前作同様、軽快なタッチで一気に読ませる力量は大したもの。 ただ、前作程の圧倒的な迫力が無いのが残念なのと、曙電機の村岡の立ち位置がいかにも 中途半端に感じられた。会社が上を下への大騒ぎをしていても、実際の社員はこんなものと いう記号的な置き方なのかと思いきや、とにもかくにも中途半端。これだけが残念。 続刊に期待。
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【くちコミ情報】
フィクションとはいえリアルです。
金融再生プログラムの仕上げとして、金融庁の検査チームが銀行の評価に対する特別検査に入る。 銀行側は膨大な不良債権の摘出による銀行壊滅を阻止すべく、専務の指揮の下で謀略画策する。 金融検査マニュアルに沿い、政治色抜きに原理主義で検査を徹底しようとする検査官。 行内派閥争いと過去の成功体験の延長線上で将来の頭取願望を抱き銀行存続に画策する経営者。 金融庁と銀行の攻防ストーリー。 銀行は自分をまもるために、金融庁に提出する融資先の資料を改竄を、 アメリカとの約束や顧客保護を目的に、 銀行の資産評価を厳密に行い、一気に垢を出そうとする金融庁側。 どちらも銀行をまもりたい気持があるのだが、 立場が異なると考え方やアクションが異なり、 展開の妙は、一気に読進ませるに十分な内容である。 小説とは関係ないが、 内部統制システムも、監査役も、 企業内が羊の集団ならば、無力であることを、この小説は暗示している。 企業とは、こういうモノかもしれない。 それにしても 第三産業銀+芙蓉銀+日本興産銀(=イナホ銀行) 住倉銀+桜花銀 朝日山銀+大和川銀 この物語の中心銀行は、旧大東(名古屋)と旧五輪(大阪)が合併した大東五輪銀行 最後に大東京銀+四菱銀と・・・。 フィクションとはいえです。
悪い奴ほどよく眠る
江上さんの本は二冊目です。『円満退社』には正直ピンとこなかったのですが、これはおすすめです。 今作品は実際にあった、UFJの金融庁にたいする検査忌避の事件がもとになっています。ニュースだけではわからない事件の裏側を小説仕立てにしています。UFJは結局、三菱の傘下に入りましたよね。 |