2009年01月07日(水) 歴史の第1位は
『ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)』!
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リチャード P. ファインマン
Richard P. Feynman
(原著)
大貫 昌子
(翻訳)
¥ 1,155(税込)
通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:1107位
カスタマーレビュー数:46
【Amazon.co.jp】
R.P.ファインマンは1965年にJ.S.シュウィンガー、朝永振一郎とともにノーベル物理学賞を授賞した天才的な物理学者である。こう書くと「理数系が苦手」な人は逃げ出したくなるかもしれないが、そんな人にこそ本書を手にとっていただきたい。 本書は20世紀を代表する天才物理学者の自伝ではない。R.P.ファインマンという人生を楽しむ天才から我々への贈りものである。 「ファインマンと聞いたとたんに思い出してもらいたいのは、ノーベル賞をもらったことでもなければ、理論物理学者であったことでもなく、ボンゴドラムでもマンハッタン計画でもない。僕が好奇心でいっぱいの人間であったということ、それだけだ」といつも言っていた(下巻訳者あとがきより)。 「なぜだろう?」といつも好奇心いっぱいの子どものように世界を見て、いったん好奇心をひかれたらそれに夢中になり納得のいくまで追求する。彼は一切の虚飾と権威を嫌い、相手がそれをかさに着ているとみるや容赦しなかった。それは、そのような態度が、楽しいはずの真実の探求を邪魔する厄介なものだったからである。 上巻では、彼の少年時代、物理学者としての修行時代、また駆け出しの物理学者として携わったマンハッタン計画から終戦を迎えるころまでのエピソードが収録されている。どの時代においても彼はその状況を最大限楽しみ、そして、決して流儀を変えなかった。 自分が理系か文系かなんて関係ない。もし少しでも本書に「好奇心」を持ったなら、ぜひ一読をおすすめする。(別役 匝)
【くちコミ情報】
自叙伝の最高峰
機知とユーモアの人、ファイマンさん。 他の多くのレビューに私も、たびたび同感。 本書の秀逸性を改めて、述べる必要はありませんね。 特に興味深く読ませていたのが、「二人の金庫破り」の章。 機密文書を保管するあらゆる金庫を開錠しまくり、その安全管理のずさんさを痛烈に批判。 この頭のキレ具合は、痛快。 あなたじゃなきゃ、安全ですって(笑)。 おもしろすぎます、ファイマンさん。
声を出して笑ってしまう
これまで読んだ本の中でトップ群に入るおもしろさでした。 天才の思考回路をかいま見れます。
とても楽しい自伝でした。物理学に興味がなくても大丈夫
物理学にまったく興味がないのだが、自伝としての評価が猛烈に高いので、興味を持って読んでみた。 確かに面白い。そして、学問を目指し、仕事にしている人の生活や考え方が垣間見れて、おもしろかった。 それぞれのエッセイの内容も、学校の話だけでなく、広く行動した筆者の活動そのままに多岐にわたり、ただの学者の綺麗なエッセイに収まらない。 こういういい本はもっと若い時に読みたかった。そうしたら、自分の人生も違ったと思う。
ファインマンは科学者の鏡である
前半ではブラジルや日本での滞在記が面白可笑しく述べている.そこから垣間見られることはファインマンの精神は,郷に入れば郷に従えということだろう.ブラジルでは一生懸命ポルトガル語を勉強し,ポルトガル語で講演をしようとしたり,日本では学会が用意したホテルではなく,日本式の旅館に無理を言って泊めてもらったり,その国の伝統・文化を楽しんでいる. 後半はアメリカの教科書の選定委員を通して,アメリカの抱える教育問題を痛切に批判したり,まったく未知だった芸術の世界に飛び込んで,ある程度成功を収めた話や趣味のドラムの話を述べている. 最後にカリフォルニア工科大学で行った卒業式の式辞が述べてある.その趣旨は科学研究を行う時に大切なことは,自分に都合の良い実験結果のみを提示するのではなく,すべての結果を提示して判断を仰ぐ,また先行研究は自分で追実験を行い,本当にそのような結果が出るのかを自分で確かめる姿勢が大切であると言っている.
自慢話ばかりです
最初はそれほど気にしないで読んでいましたが、とにかく最初から最後まで、自慢話ばかりで、それが嫌で途中で読むのをやめ、捨ててしまいました。
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【くちコミ情報】
samurai
この本は戦記というジャンルを飛び越えてもまさに「名作」だと思う。ただ単に戦闘機の性能や空戦の体験だけではなく、戦友との悪ふざけやら思い出、そして坂井氏自身の精神などもこと細やかに書かれているのでより臨場感があふれている。戦記はちょっと・・・という人にも是非読んでもらいたい。戦争の大局での勝敗に関係なくひとりひとりの兵士がいかに命がけで戦ったかがよくわかるはずだ。 ご存知かもしれないが、これは世界各地で出版されているそうだ。戦後連合国だった国の人はこの本を読んで、日本人は非情だという戦時中のイメージが無くなったとか。
読む人を勇気づける偉大なるサムライの回顧録
坂井三郎氏、サムライ。この偉大な軍人の書いた本に救われました。 たまたま、仕事で行き詰まり精神的にかなり辛いときに手にしました。 戦時中とは違い、会社での命のやりとりではない場面ですが、 現代には現代の、その人にはその人なりの悩みや葛藤があると思います。 そんなときに読んだので、115ページの文章に目が吸い込まれました。 「まず事故(ピンチ)に直面したとき、第一になにをなすべきか。 それは何をさておいても、落ち着くことである。<しまった、しまった>と、 過去を恨み、自分の不運を嘆き、心を乱す考えを起こすことは、 この時点においては、マイナス以外のなにものでもない。 まず落ち着いて処置方法を考え、もっとも良いと思った方法を、 迷わず断行することである。」 これは、坂井三郎氏(サムライ)が念願の単独飛行につく際に 教官にピンチに見舞われた際の心構えとして教え込まれたことです。 サムライは、深呼吸を3回することで、気を落ち着けたそうです。 生理学的にみても、深呼吸は硬直した筋肉、収縮した血管に有効。 私も本当にタイムリーにこの本を読んでいて良かったと思いました。 サムライの置かれた境遇とは比べようもありませんが、 この本に勇気づけられ、自分なりに苦しいと思うことにも立ち向かう 勇気をいただきました。
決してあきらめないということ。
勝ち戦で生き残る事は簡単だ。でも坂井三郎は負け戦で生き残った。しかも撃墜王として。撃墜王になるには常に最前線にいなければできない技だ。中国大陸、台湾、ラバウル・ラエ、硫黄島。ガダルカナルでは遂に負傷してしまう。一旦は戦地を離れるも右目の視力だけで硫黄島へ。ここでは15機の敵機に囲まれながら生き抜いた。強運の持ち主。 そして戦後、多くの本を出筆する。どれも戦史としてだけではなく戦いや隊員、そして自分への描写が優れていること。これを読むと戦争だけではなく、私には普段こうして生き抜く事の教科書にもなった。 「坂井三郎中尉、海軍航空隊を退隊されます。総員見送りの位置につけ。帽振れ、帽振れ。」
貴重な記録
太平洋戦争中のゼロ戦撃王による従軍記。それも新兵時代から網羅されており、我が国の航空兵力事情の記録としても貴重だろう。ところどころで、敵兵の亡骸を葬るなどの逸話が出てくるが、やはり歴戦の勇士といえども、一人の人間であることには変わりないのだと言うことも確認できたのは、予想外の収穫だった。
戦闘機乗りの生き様は凄い
坂井さんの文章は、小学校の話だとそれらしい文体に、二十歳くらいだとまたそれらしい文体に、現在だと俯瞰したような文体にと、実年齢によって文章の感覚に違いが凄くあって自伝的な話なのに当時の少年が作文をかいているような瑞々しさがある。 戦闘機乗りになるまでに散々遠回りをした話をさらっと書いているが「努力」とはこういうことを言うのだなぁと痛感させられる。あとがきにも常に自分を律していることが一番楽なことだと書かれていて、私もそうなりたいなぁと憧れを持って読みきりました。 本書の中での凄みは「死の受け入れ方」について触れられていることです。戦闘機乗りになったからには空で死ぬのが当たり前だという姿勢が全編に貫かれていて、戦士した友を涙を流して弔いながらそれがごく自然なことだと感受できるその戦争心理は、訓練で辿り着ける人間の境地を感じます。 トップガンの映像が文章から凄い迫力で幾重にも展開されていく強烈な本です。
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【くちコミ情報】
肯定的な人間観がよい
以前から気になっていたシリーズだが、ついにこの「ローマ人の物語」を読みはじめている。もともと、歴史には疎い方で、特に世界史のことはごく基本的なことも知らない。大事だとわかっていても、勉強のようにつまらなく感じてしまうのであった。 ところが、この塩野七生氏の著作は文句なしにおもしろく読める。基礎知識がなくても、わかりやすい。そして、人間や社会の本質を理解する上で実にためになる知恵がつまっているのである。おもしろい理由のひとつは、人間のひとりひとりに焦点をあてて丁寧に描かれていることだろう。そして、その見方が肯定的なのがよい。 現在シリーズの半分ほど読んだところだが、どの巻も粒ぞろいで退屈することなく読みすすめられている。
薄さがいい。独特の文章は段々慣れます。
歴史好きな人は問題ないのでしょうが 装飾が多く、話が飛び、分かりづらかったです 私は歴史の常識がなく その為の教養書として読んだので、大変でした でも、今は文章にも慣れて、面白く読めます 歴史の本にしては珍しく、薄い文庫本なのも嬉しい。 クリスチャンの立場から見ても為になります 聖書だと「異教」「異教徒」の一言で片付けられている彼らも、 生活があり、信じるものがあったのだと、当たり前だけど思います
現代に通じる歴史書
紀元前8世紀から始まる、ローマの壮絶な歴史書。その頃、日本では文明が存在していなかった時代。ギリシアのクレタ文明は紀元前20世紀、エジプト新王国時代はしばらく後。中国の殷王朝時代は、紀元前1400年頃。 なぜ、ギリシア文明が潰えて、ローマに引き継がれていったのかを考えると、現代もまた同じ道をたどっているようにも感じます。王制から共和制などの時代を経て、戦争と平和の意味を考えることができます。ローマ人の物語を、歴史書として読むことができます。
ここから始まる大レース
紀元前後の古代国家でありながら、現代のイデオロギーにすら計り知れない影響を残した大帝国の、 一千年に及ぶ興隆から衰亡までを余さず描き出した物語。 一見際立った取り得を持たず、体格にもさして恵まれず、 多神教のもと極めて鷹揚な宗教観を持ち、風呂好きの魚好きのお祭り好きと、 なんとなく我々日本人には近親感の沸く特長をもったローマ人が主人公である。 彼らがいまだ棲み処も持たず、地中海世界を転々とするただの弱々しい集団であった昔。 ようやく中部イタリアの丘の上に安住の地を見出し、 そこに国家と呼ぶのもはばかられる、ささやかな集落を築いたその時から、 都市ローマと、ローマ人たちの、永い永い歴史は始まるのである。 彼らは始めから強大であったのではない。 ローマの周囲に存在した数多の諸部族、都市国家の間で右往左往しながら、 実にゆっくりと、少しずつ少しずつ力を備えてゆく。 その様を追ううちに、知らず知らず読者である我々は、 「我らがローマ」の心境で、手に汗にぎり声援を送ることだろう。 史上最大の帝国の、どこまでも壮大な物語は、 ローマ人と数多の英雄たちによって紡がれてゆくのである。
ローマの歴史が面白い
非常に読みやすい文章です。 ローマ成立の歴史についてわかりやすくまとめられています。そのなかの筆者の考察にとても同感できるものがあります。ローマの歴史って面白いですね。ローマを訪れたくなります。塩野さんの大作の一冊目ですが、こんなにおもしろいとは今まで知らなかったので、すぐに全巻読んでしまいそうです。この巻の最後はギリシャの歴史に関して手際よくまとめています。民族のちがい、政治の形態の違いがいかにその後に影響するかがわかり興味深いです。
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【くちコミ情報】
サムライの言葉に勇気づけられました
392ページ あとがきに代えて、を読み丁度悩んでいた今の私を勇気づけてくれました。 「戦いの常として、こちらが辛い場合には向こうも辛い。 辛い、辛いと思っているときには戦闘は互角である。 むしろこちらが勝っている場合が多い。その辛い最後の一瞬を、 必ず勝てるという信念で頑張り抜いた人が、空中戦においても敵に勝つ人 であって、その苦しい最後のときにヘタばった人が、必ず落とされる運命にある。」 これは、サムライが空戦に学んだ自己制御として、 巴戦で敵戦闘機と一騎打ちをする際に、最後に頼れるのは 自分自身のみであることを振り返っているくだりです。 もはや精神論以外の何物でもなく、今時・・・なのかもしれませんが、 私はそうは思いませんでした。これは自分を信じること、頑張り抜くこと、 その先に道が開けることの真理だと思います。 辛いときこそ、冷静になるべきだとは、いろいろな悩みを抱える現代の社会人 にも、きっと勇気や救いの一言となると思います。 戦争を美化することでもなく、むしろその虚しさをサムライは伝えています。 戦記というよりは、もっと深い心構えを教えてくれる本です。
朝飯は一緒に食えても晩飯は食えない。
常に戦争をしてる日々が続くとこうなってしまう。この本を読むと朝はいた奴が夜はいない。一体こんなことが日常茶飯事になったら今の我々はどうやって向かい合って生きていけば良いのだろう。しかし今となっては遠い昔、こうやって戦い続けた日本人がいた。ごく1部の誤った指導者のお陰で。終戦を知った坂井が「死んだ仲間が一番可哀想だ。」。 今、彼は笹井中尉の元に仲間達の元に還った。「虎は千里を行って千里を還る。」
いかにあろうとも、、、
戦争反対です。 ゼロ戦のテクニックはすばらしいものがあったそうです。 男も女も戦地にゆくのにどれだけの犠牲をしいて行ったのか? 一人ひとりの物語としては美化しすぎではないかとおもいます。 戦地へおもむくという事が男のロマンやスキルでかたってはならないと おもいます。どれだけの死を認めれば戦いは終わるのでしょうか。 わたしは戦争という特殊な世界ではなく、人として本当は戦いたく なかったのだと信じたいです。 亡くなられた人達のご冥福を祈りつつ、読み手もカッコイイと 思わず、記録として身構えて読むほうがただしいのでは、、、
現実の戦いとはこういうもの!
戦術論(机上の空論ではなく)ではなく、いちパイロットとして、一対一の戦闘における飛行機乗りの極限状態など、生身の人間がいかに戦ったのかが克明に記されてある。 世界の名パイロット達も認める坂井さんの本。幾つもの死線を潜ってきた者にしか分からない事がある。これは普通の人では決して書けない内容だ。どんな差し迫った事態でも、そこを潜り抜けてきた人たちの告白は実に鮮明で説得力がある。
同シリーズの上巻に続く下巻!
世界中で英語などに翻訳されて出版されている大空のサムライシリーズの下巻です、やはり実際に零戦に搭乗した坂井三郎の戦記は一味違います、読んでるうちに勝手に想像してしまうのですよ。「なるほど、こっちからグラマンがきてこう攻めたのか。」などと勝手に想像しつつ読んでいるわけですが、いつの間にか理想の人になってしまいました。将来自分もこんな風に立派な人になりたい!と思わせる力があるのでしょう。とくに片目を失いつつも戦列に復帰して15機vs1機での壮絶な戦いの所には興奮してしまいました,,,,特攻出撃に坂井が行くときもやはり極限状態に追い込まれた人間の状況が生々しく書かれています。あまりに素晴らしいので友達に大空のサムライシリーズを全部薦めています、最後は衝撃的な終わり方で物足りない気もしますが、自分はこのシリーズほど衝撃を受けた本はありません。しかもただの戦記ではなくかなり今の生活に人生に役に立つ本だと思います、ちょうど自分ぐらいの年から海軍に入ったのかと思うと、この差をどう考えてよいのかわからなくなります。
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【くちコミ情報】
目から鱗の歴史講義
網野氏の著作はどれも面白いが、気合いを入れないと読めないものが多い。一方で、この著作は通勤電車の中で気軽に読めるくらい平易な文体で書かれている。編集者への口述筆記がベースになっているらしい。 職能民や女性の社会的位置づけの変化、縄文時代の交易の様子、「水呑」の実態等、学校で習った歴史がこれほど怪しげなものだったとは。 この本に書かれている話は、短大での講義内容をもとにしているらしいが、当時の学生の反応は今ひとつだった由。猫に小判、短大生に網野先生か。
面白く思索の糧になるが、批判的に読むことも必要
重要な指摘を多く含んだ、読みやすい良書と言っていいと思います。私は個人的にうがったものの言い方をする人が好きではないので、網野氏のような論者は敬遠していましたが、本書を読んで認識を改めました。ただ、いくら一般向けの講義録をおこした本とはいえ、どの史料を根拠に述べているか書いていない部分が多いのはマイナスだと思いました。 本書で一番面白かったのは、「畏怖と蔑視」の章です。犬神人や河原者といわれた中世の最下層民は、巷間言われたきた差別を受けるだけの存在ではなく、「ケガレ」につながる職能から「畏怖」を受ける存在であって、自らの職能に誇りを持っていたことを明らかにします。それが、どのように近世の最下層民につながっていったかはわからないとしながらも、社会が文明化され、自然への畏怖が失われたことが原因ではないかと言います。これは映画「もののけ姫」のテーマとも繋がります。日本社会・日本人にとって重要なテーマです。 一方、批判的に読んだ方がよいかなという部分もかなりあります。著者は日本国という国家ができたのは律令・国号を導入した天智・天武帝の時代といいます。別に、間違った指摘ではないのですが、ここでいう国家とはネイションではなくエトニですね。ですので、それまでの「倭」との断絶を強調する必要はないと思います。 また、天皇制がいずれ必要なくなるだろう、そのときには日本という国号も再考すべきだとも言っていますが、本書で述べられた歴史的知見からそこまでのことが言えるのかと率直に思いました。
日本の、特に中世の歴史への見方が深まる一冊
最近読んで、日本の歴史などの記述がとても面白かった本に、松岡正剛『17歳のための世界と日本の見方』(春秋社)があります。その講義の中で、「網野善彦さんのような日本歴史の研究者が、非定住型の人々を中心にした歴史観を打ち出し始めて、私はおおいに共感しています。網野さんの本は一度読んでみてください」とあって、それで本書を手にとって読んでみました。 日本の歴史のなかで、南北朝動乱期の14世紀を境にして、文字の普及や貨幣の流通、それに伴う商業と金融のあり方が大きく転換すること。とりわけ興味を惹かれたのが、14世紀を境として「穢れ(ケガレ)」の観念が大きく変化したこと、とともに、中世の非人や河原者など被差別民たちの社会でのあり方の変遷を考察した「畏怖と賤視」の章でした。 歴史の教科書の表面的な記述だけでは絶対にうかがい知ることのできない歴史の真の姿が、生き生きと立ち上がってくるかの如き記述。深く、幅広い歴史の暗がりへの洞察力。鮮やかに目を開かれる思いがしましたね。歴史的な絵図が多く掲載されているのも、中世の人々の様子が伝わってきて、リアルな雰囲気を出していました。 日本の歴史のさらに深く、さらに奥へと分け入ってみたくなった時、その取っかかりとなるにはまず格好の一冊ではないでしょうか。本書を読んで、日本の歴史の暗がりを垣間見せてもらった気がしました。
網野史学の入門書
この本を読んだ時の衝撃は忘れられません。ある人がコラムの中で取り上げていて、試しに読んでみたのですが、学校で習った歴史やそれまで信じていた一般常識がみごとに覆されました。中世が考えていたよりも進んだ世の中で本当に驚きました。内容は高度ですが、もともと中学生向けということもあり非常に読みやすいです。網野史学の入門書として最適です。これに感動して、網野先生の本を片っ端から読み漁りました。先生の史学が学会でどのような位置づけにあるのかはよくわかりません。教科書には取り上げられていない様なので、異端に位置しているのかもしれません。しかし、論証を読む限り説得力があり、納得の一冊です。
未来への提言に向けて「よみなおす」
日本国が形成される過程で醸成された百姓=農民という固定観念では見えてこない日本社会の豊かな実像が述べられていました。 「よみなおす」という題名を当初「おさらいする」の意で本書を手に取りましたが、全くその期待を良い意味で裏切ってくれました。現在の課題(特に国家・権威・市場など)から過去の出来事を捉えなおすという意味で「よみなおす」著者の取り組みは、新たな視点から歴史を「よみなおす」だけに留まらず、未来についても独創的な示唆に富む内容でした。 また小生のようなサラリーマンにもわかりやすい文体で、かつ安直に流れず科学的な態度が貫かれている点でも素晴らしいと感じます。何よりも「○○は十分に考えておく必要があることだと思うのです」と将来的な意味をもつ課題についての問題提起が多くされ、学問としてだけでなく社会の今後の発展を一貫して考慮されている著者の態度に感銘を受けました。
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Richard P. Feynman
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通常24時間以内に発送
ジャンル内ランキング:2216位
カスタマーレビュー数:46
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本書の上巻では若く初々しかったファインマンの姿に触れることができるが、下巻では、成長したファインマンが1人の「物理学者として」物理のみならず社会や芸術とかかわってゆくさまに触れることができる。 どんなに権威者になっても(彼はそう呼ばれるのを何よりも嫌ったが)、彼は決して物理学者としての誠実さを変えることはなかった。サバティカルでブラジルの国立研究所に滞在した彼は「教科書を丸暗記するだけ」の物理の大学教育に業を煮やし、ブラジルの「お偉方」の大学教授たちの前で「この国では科学教育が行われていない」と言い放った。またあるときは、学校教科書の選定委員としてすべての教科書に目を通し、教科書の内容が科学的誠実さを欠いているのを真剣に怒り、他の委員たちと闘った。 彼の信条でもある「好奇心」は年齢を重ねてもとどまる所を知らず、カジノではプロの博打うちに弟子入りしたり、ボンゴドラムでバレエの国際コンクールの伴奏をしたり、また、幻覚に強い興味を持った彼は、旺盛な好奇心からアイソレーションタンク(J.C.リリーが発明した感覚遮断装置)にまで入ってしまう。彼は他人のことなど気にとめず、素直な心で物事を見つめ、興味をひかれたらそれに夢中になる。彼は何より人生を楽しみ、人生を愛していた。 そんな彼の書いた本書に触れていると、いろんなことを話したくってうずうずしている彼が、目を輝かせて楽しそうに自分に向かって話しかけてくれているような気分になる。そんな気分にさせるのは、大貫昌子による素晴らしい訳のおかげでもあろう。訳者はファインマンと親交があり、彼に相談しながら翻訳作業を行っているため、原文の持ち味が十分に表れている。(別役 匝)
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自叙伝の最高峰
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粋でイナセな江戸っ子の放言譚
勝を嫌う人間は大抵が小説家の勝観が元であることが多い。 曰く、近藤勇を見捨て、会津を見捨てた男ということらしい。だが、勝を嫌う前に勝の置かれ た立場を考えるのが先決であろう。 ある意味勝の放言ばかりであるが、それだけではない勝自身の反戦観が書かれており 日清戦争を「兄弟喧嘩」という例えは優れているかもしれない。 言いたい放題言いまくった勝ではあるが、的を外さず厳しい警告は現代に相通じるものが あるのかもしれない。
幕末を30年生きた男の肉声を聞いているような文体。
勝海舟は幕末を30年生きた。自分を殺しにわざわざ自宅に来た竜馬を海外に目を向けさせ、西郷と談判して無血開城させ、大久保に東京の繁栄をたのんだ。 幕末から明治の生き証人は、維新後30年して、徳川慶喜を明治天皇に会わせることによって仕事に締めくくりをつけた。 本書は司馬遼太郎の「竜馬がゆく」などを読んでおくと、人物評伝等はとても興味深く読めることでしょう。また、今日の政治のあり方や当時の時勢を知る資料ともなるでしょう。 しかし、今の時勢にこういう人はいない。貧乏は30まで続いて庶民の気持ちもよく分かるようだし、剣術・禅の稽古で胆力を鍛えたようだし、学問も「活(いき)(学問」だという。なんといっても弁が立つ。 勝が生きていたら「みんな間の抜けた政治家ばかりだよ。外交もなにもできていない。いつの間にかマグロも日本の食だと独占していたら、海外に占拠され始めた。ものの値段もどんどん上がるね。市場原理だ。規制緩和だなどと、内向きの都合のいい法螺吹いていないで、外を見ないと、朝鮮やヲロシアにやられちまうんじゃないかい。」などと言うかもしれない。
べらんめえ 勝海舟でスッキリ
勝海舟のべらんめえ口調で歯に衣着せぬ物言いが味わえる本です。 江戸無血開城の幕府側の立役者、勝海舟。 1899年明治32年77歳で亡くなった彼の、 晩年70代の頃の言葉とは思えぬほど威勢のいい言葉が収められています。 語られているのは、 自分の生い立ち、幕末動乱期の体験、 出逢った人々の事、 その中でも特に西南戦争で自刃した西郷隆盛についての想い出の数々が感動的です。 こんな口調で語っています。 「西郷に及ぶ事が出来ないのは、その大胆識と大誠意とにあるのだ。 オレの一言を信じて、たった一人で、江戸城に乗り込む。 オレだって事に処して多少の権謀を用いない事もないが、 ただこの西郷の『至誠』は、オレをしてあい欺くに忍びざらしめた。 この時に際して、小籌浅略(しょうちゅうせんりゃく)を事とするのは かえってこの人のために、腹を見透かされるばかりだと思って、 オレも至誠をもってこれに応じたから、 江戸城受け渡しも、あの通り立談の間に済んだのサ。」 平易な言葉で時事、当時の明治政府への批判なども語られていますが 様々な事柄に言及する言葉には『武士道』が一貫しています。 言行一致、肉体を離れた観念は意味がない。 強い肉体に強い精神が宿る。 政治は常に『正心誠意』 刺客に狙われ続けた海舟ですが、常に丸腰で応対していたそうです。 自分を殺しに来た刺客に対して 『お前の刀は抜くと天井につかえるぞ』とか 『斬るなら見事に斬れ。勝はおとなしくしていてやる』 などというと、たいていの者は向こうから止めてしまった、 こんな風に一度も逃げもしないで、斬られずに済んだ、などとという逸話も語っています。 こんな豪傑の75歳の時、翌年の戌年への発句がこれです。 「男らしく 大喧嘩せよ いぬの春」
福翁自伝と読み比べると面白い
近代と前近代をまたぐエリートの放談という意味ですごく興味深い。 勝は至誠が何より大事であると繰り返し、事前に綿密に計画を立てて挑む近代的な外交交渉スタイルを否定。勝海舟と西郷隆盛という至誠同士の交渉が江戸城の無血開場をもたらした、と主張する(手前味噌すぎ?)。法やシステムに寄らない前近代の為政者のスタイルを垣間見せる。 そして何より興味深いのは、同時代の知識人の福澤諭吉との認識の違いだ。 勝と福澤共にスタートは蘭学で外国語に堪能、しかも双方とも名うての剣豪で、双方とも頭の切れ味に優れ、そして共に咸臨丸の航海でアメリカを知る。 そんな似た経歴の二人ながら、日清戦争の評価に現れる二人の対アジア観はまるで対極。 この二人の立場の違いは今なら丁度、親米派と親中派の対立のご先祖みたいなものだろうか。
お喋り伯爵
平たく言えば幕臣・勝海舟のインタビュー集のようなもの。 話し言葉で書かれてあるので読み口がいい。 口先のよく回る、勝のポンポンした放談の調子がよく出ている。 内容は、勝の体験談や人生訓、古今の人物評、政治評など。 とは言っても普通の人のそれではなく、家茂存命中、幕府瓦解期と、 2度の重要期に幕府の中枢にあった人物の体験談で、 幕末の高官にも、志士にも、顔の利いた同時代人の人物評である。 本書の雰囲気や勝の性格から言って、話を面白くする為の罪のない誇張や啖呵くらいはありそうだが、 貴重なコメントを豊富に含んでいるのは間違いない。 興味あるなら是非。
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【くちコミ情報】
王制から共和制へ
ローマによるイタリア統一の過程が分かりやすく説明されている。ローマにとって最初の成分法となる十二表法成立の背後関係とか、ケルト人来襲によるローマ陥落とその後の復興などは、ローマ人の良い特徴が現れていると思う。 ローマが王制から共和制に移ってから、政体について動揺を繰り返していたが、リキニウス法の制定で政治的な安定を見る。共和制ローマを支える政治体制や税制、市民権の概念、インフラ整備についての考え方、他の民族との関係(ローマ連合の特徴)を、同時代の他の都市国家との比較検討することで、ローマの特徴をうまく描きだしていると思う
積み重ねています。
この巻の出来も立派だと思います。複雑な周辺事情をも正しい順序 で説明してくれているのでしょうかね。 お話はギリシアへの派遣視察団が帰国するところから続きます。前 449年十二表法の制定により、共和制ローマとして、ローマ人は歩 み始めます。塩野さんの説明がすごくわかりやすかったのは、この 共和制というのが、現在のフランスの共和制などとはまったく異質 の政体であるこというものでした。翻訳の問題なのだろうが、歴史 を志すものには重要なポイントなので、イメージだけでもしっかり 持ちたいところ。といいつつ私もすこし忘れている。しかし、彼ら の文明はこの時期に法律が必要なほど高いものだったとも考えられ るし、日本では成文法は聖徳太子の17条の憲法(604年)まで法律が なくても、モラルのあった生活をしていたとも考えられる。 ■ ともかく政体を変える事により、躍進するかと思った共和制ロ ーマなのですが、文化レベルでは蛮族と言わざるを得ない、ケルト 人により、壊滅的な敗北をすることになります。これが前390年の出 来事です。このケルト人は去年流行したceltic womanや、有名なenya もそうですし、もっとも好きなのはThe Chieftains等、他にリバー ダンスなどの文化の源流たるケルト人ですが、このころは蛮族でしか なかったんですね。しかし、この時期は森に棲む民族として、広く生 きていました。ドイツにも、スイスにも、フランスにも、スペインに も。375年にゲルマン人の大移動が始まるまでは、深い森の中でケルト 人は暮らしていたのですね。 さまざまな様子が事細かにかかれていて、非常に読後感も素晴らしい ものでした。
ギリシャから2000年以上経って
塩野が案内してくれるローマ史学の旅の二冊目。 ローマを語るにおいて 塩野はギリシャが欠かせないという。そんな塩野が 本書では まずギリシャをじっくり描いてくれる。 白眉はやはりぺリクレスであろう。塩野が紹介する彼の演説は 正直読んでいてため息しかでなかった。特に好きな箇所を抜き出す。 「われわれは美を愛する。だが 節度をもって。われわれは知を尊ぶ。しかし 溺れることなしに。われわれは 富を追求する。だが これも 可能性を保持するためであって 愚かにも自慢するためではない。 アテネでは 貧しいことは恥ではない。だが 貧しさから脱出しようと努めないことは 恥とされる。」 かような発言が2000年以上前にあった点で 人間は大したものだと感心する。一方 それから2000年もの間 いったい人間は進化してきたのかと いささか絶望感も覚える。 こんなギリシャを しかし ローマは 学んでも真似はしなかった。それが 滅んでいったギリシャと 版図を広げていったローマの違いである点も 塩野ははっきりと指摘している。 本書で描か |